どういうシーンを書きたいか?~書きなぐりノートの効用を添えて~

 次に、書きたいシーンを考えることにしました。

 出発点は、『世界で一番あなたがきらい』を着想するきっかけとなったシーンを思い返すことから。


【きっかけとなったシーン】

 ①王太子は火、ヒロインは水(『革命ディアリズム』のMVから)

 ②ヒロインが本心を偽って、王太子のことを「嫌い」という

 ③理想の国ってなんなのか、とヒロインと王太子が語り合う

 ④ヒロインのことを苛める王太子


 ①は今回の物語のキービジュアルとも言えるべきイメージでした。

 特にこの時は……You tubeとかで見ていただけると分かるんですが、MVでちょうど西川さんが火っぽいもの使ってて、水樹奈々さんが水っぽいもの使っててですね…歌でシャウトしてくる感じに、びびっときた訳です。

(普段はT.M.Revolutionも水樹奈々さんの歌も聞かないんですが…確か、YouTube放浪してた時に見つけたMVだった気がする。曲自体もかっこいいです。アニメは…見てないです…申し訳ない…)

(MVはこちら→https://www.youtube.com/watch?v=RNE93dieQF4)


 というわけで、背景はよく分からんけど、火の国の王子、水の国の姫、という構図が出来上がりました。


 ちなみに私は、音楽を聞いている時に、1シーンだけ浮かぶ→複数のばらばらのシーンを繋ぎ合わせて物語をつくる、という方法をとっています。


 それから、これは以前述べさせていただきましたが、物語の構成はなるべく三部構成にしたい派です。

(詳細はこちら

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888031071/episodes/1177354054888140731)。


 なので、上記の①~④を以下のように並べ替えました。



【並べ替えてみた】

 ④ヒロインのことを苛める王太子(序)

 ③理想の国ってなんなのか、とヒロインと王太子が語り合う(破)

 ②ヒロインが本心を偽って、王太子のことを「嫌い」という(急)

 ①王太子は火、ヒロインは水(これは物語の設定に関わるところなので、シーンとしては削除)


 その後、これらの間を埋めつつ、とりあえずの一連の流れ(物語の始まり~終わりまで)をノートに書きなぐりました。


 ノートを見返してみると、主にはシーンごとに入れたい台詞を書いてますね。


 それから、「すごいメモ。」という本で、アイデアを生む時は落書きするといい、と書いてあったので、キャラの数だけ棒人間を登場させて、彼らに台詞を言わせてます。

(「すごいメモ。」はビジネス書で……ビジネスマンでもない人間がビジネス書を読む効用は、また別の機会に語らせて頂きます。個人的にはめっちゃ効果あると思う)


 あと、エピソードが思いつかなかった部分は空白にしてあります。だから超展開で物語が進んでいます(笑


 物語の根幹を成す、陰謀も……当初の自分は思いつかなかったらしく、詳しく記載してありません。

 強いて言うなら、『陰謀の黒幕が誰なのか』『炎の神』という記述はありますね……。

 でも、「どうやって黒幕が陰謀を展開していくのか」「炎の神がどう関わっていくのか」「ヒロインないし王太子はそれをどう解決していくのか」は思いついていなかったようです。



 このノートの内容と、現在の物語の進行。

 ヒロインと相手役の対立→和解→ハッピーエンド、という大意は同じですが、他はほとんど違うものになりました。

 実際書いていても、ノートを見返していたのは、最初の数話だけだった気がするな……。


 じゃあ、ノートを書く意味なくないか? と思われそうですが、いえいえ、これが意外と効果があるのです。


【書きなぐりノートの効用① 新たなキャラが生まれる】

 アンジェラとオルフェです。二人は、ヒロインと王太子の友人という立ち位置が欲しくて生まれました(本心を語れる友、ですね)。

 アンジェラは名前が決まってたんですが…オルフェは名前が決まってなくて、仮の名前で、眼鏡、って書いてます。

 多分、棒人間書くのが面倒で、眼鏡を書いたせいだな…これ…。


【書きなぐりノートの効用② 物語の展開に対する安心感】

 穴があるとはいえ、一応、終わりまでシーンを書き出したので……どうやってこの物語を終わらせるんだ? という物語の方向性に関する不安感は若干軽減されました。


【書きなぐりノートの効用③ キャラについての考察が深められる】

 書いている内に、ヒロインと王太子の性格、過去、能力、信念についても考察が深められました。そこから、じゃあ過去話を書かないといけないなぁ…と新しくシーンを足したり。

 ヒロインは王太子に祖国を滅ぼされた、という設定は、この過程で生まれた気がします。

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