金婚式
勝利だギューちゃん
第1話
2月10日、両親の結婚記念日。
父は、6年前に他界したが、もし生きていたら50年目・・・
つまり、金婚式になる。
生前、夫婦仲はよくなかったのは、子供が見ていてもわかった。
よく、喧嘩をしていた。
周囲は、母の味方をして、父の言い分は聞かなかった。
結婚生活は、44年の言う事になるが、よく持ったと思う。
その日の夜、玄関のドアが開く音がした。
そこには、死んだ父さんがいた。
「やあ、元気にしてるか?」
「まあな、父さんは変わらないな」
「俺はもう、死んでるからな。お母さんはどうだ?」
「見ての通りだよ」
俺は、今の母さんの状態を目で合図した。
母さんは、父さんが亡くなった後、喜んでいたが、
数年後に、転んで大たい骨を骨折して、歩けなくなった。
そこから、認知が加速していった。
その介護で、殆ど寝ていない。
「大変だな」
「もう、慣れた」
本当は慣れていないが、心配かけないために、こう言った。
「で、父さん、今日はどうした?」
「一応金婚式だからな・・・お祝いしようと思ってな」
「生前、一度もした事ないだろう?」
「ああ、だから後悔していてな。せめて、金婚式はしようと思ってな」
「何をする気なんだ?」
そういうと、父さんは母さんのところへ行った。
程なくして、戻ってきた。
「何をしたんだ?」
父さんは、笑うだけだった。
「まあ、お母さんに聞いてくれ。また来るからな」
父さんは、そう言うと天に帰って行った。
俺には、人に見えないものが見える。
霊もそのひとつだ。
父さんも例外ではない。
なので、父さんが死んだ後も、時々来て話をしているが。、
母さんについては、初めてだった。
翌朝、母さんに言われた。
「昨日、お父さんと金婚式のお祝いをする夢を、見たよ」
金婚式 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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