猫と好奇心
@ntsn
猫と好奇心
どうやら、またあの日がやって来たようだ。
寒くなって空から白いフワフワが落ちて来るようになると、れーこが『ちょこれいと』なる食べ物を砕いて温め、また固めるとゆう行為を始めるのだ。
硬いのと柔らかいので味が異なるのは知っているが、柔らかくした物をもう一度硬くしたら同じではないのだろうか?
それともはあと型なる形にする事で味に変化が訪れるのか、だとしたら吾輩達のご飯も一度はあと型にして欲しいものだ。何とも興味深い…。
それにしてもれーこよ。今回はまた随分と大量に『ちょこれいと』を用意いたようだが大丈夫か? 普段吾輩達と共にそふぁあで寝てばかりのれーこにはかなりの重労働ではないか?
ふむ、『数打ちゃ当たる』『今年こそ彼氏をゲット』…成程、ぐーたらなれーこがこの時ばかりは鬼気迫る勢いで働くので何かと思えば狩りの準備であったか。
うむうむ、良く解るぞ吾輩も獲物を仕留める瞬間には興奮のあまり普段とは違う鳴き声になるからな。兄弟が時折恐ろしい声で鳴くので、やめてくれと頼んだら吾輩も同じだと言われてなんとも不思議な気持ちになったものだ。
婆様の代から家猫をやっていると謂うのに未だに野性なんてものが首をもたげる事がある…何時までも残るのか、それとも何時かは消えてしまうのか、吾輩に子供が出来た折にはそっと見守ってみる事にしよう。
おや? れーこよ一つ落ちだが…ふむ、どうやら気付いていない様子…それにしてもこんなにも真っ黒な物、普段れーこが美味しそうに食べていても気にならないのに狩りに使うとなれば吾輩も興味を惹かれるというもの、一つ頂戴するとしよう。
お…おや?
何とも言えないこの気分。興奮しているような血の気が引く様な、有り体に言って…気持ち悪い?
おおぅ…意識が遠のく。なるほど、れーこは狩りに毒を用いるのか、これは吾輩迂闊であった。兄弟よれーこは思っていたより危険だ。これからは少しだけ態度を改めるとよいかもしれぬ。後、子を成した折には――ビクンビクンッ!
※ 実際には効果が表れるまで時間が掛かります。
※ 症状が出た場合には獣医さんに相談しましょう。最悪、死に至る場合があります。
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