第14話 生活支援?

 あたしは、とりあえずひたすら休むだけ休むことにした。痛みで眠れない日もあったが、寮の管理人さんや騒がしい女の子たちが助けてくれた。


 そして、いざ受給日。


――やはり腰痛で動けないのだ。最悪だ。シャーマンやヒーラーに来てもらおうにも、今日は特別忙しいのだ。何故なら、無料や格安でヒーラーを呼び出せる人間が一斉に金貨を手に入れる日だから。


 先月稼いだ金貨1枚と支給された金貨1枚は、腰痛が原因で残りはたったの銅貨5枚になっていた。あたしのヒーラーの呼び出しには、銅貨1枚という区分になっているから。


 あまり気乗りしなかったが、誰もいないがらんどうのリビングで寮長さんに相談してみた。少し待ってて、と寮長さんは言ったが、6時間待った挙句に言われた言葉は――


「ごめんなさい。私にはどうすることもできません。這ってでも役所まで行ってください」


――寮に金貨3枚を納めないと追い出される、あたしの直感がそう告げていた。

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