第12話 定期収入

 その後は順調に生活していた。相部屋には、誰も入ってこなかった。だが、手持ちのお金がどんどん少なくなる。もう銀貨1枚と銅貨3枚しかない。1の支給は、5日後。


――そういえばあたし、【制限付き冒険可】だったんだわ。お金を稼いでもいいのかしら?


 今日は朝食後、役所に行くことにした。


「えぇ、冒険は構いませんよ。ただ、金貨1枚を超えた分は、返納していただくことになりますが。」


――金貨1枚の報酬のクエストを1回だけこなせば、今日は贅沢ができる!


 そう思ったあたしは、早速ギルドに行って相談した。だが、世の中にそんな甘い話はなかった。今日だけで稼げる、2のクエストを請けることにした。


 仕事内容は簡単。魔力草を採れるだけ採ってくる。


 へへん、忘れちゃいけない、あたしは身体が弱いのだ。魔力草の生えているところなら、だいたい知っている。お金がなくて買えなかった頃に、こそこそとっていたから。


 日が暮れるまで夢中で採っていた。




「お姉ちゃん、すごい量だな。これなら金貨1枚だよ。また頼む!」

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