第9話 憂鬱
朝。気持ちのいい……はずだった、朝。
ただひたすらに気が重い。
軽い気持ちで寮なんて言うんじゃなかった、あたしはすぐに思い付きで行動する自分を責めていた。軽い面談があるって? 食費と家賃を払った残りは金貨1枚だって? だいたい、ずっと母子家庭だったあたしに、集団生活なんてできるの!?
役所に行きたくない。けれど、この機会を逃して保護が取り消されたら……。
役所へと向かう足取りは重い。またあの取調室のようなところで面談するのだろうか? どんな人と? 何を訊かれる? ぐるぐるぐるぐる、考えても無駄なことが頭の中を駆け巡る。そうこうしているうちに、役所に着いてしまった。着いた、ではない。着いてしまった、のだ。
「あの、すみません、昨日お約束……」
「あぁ、面談の準備できてますよ!」
話を最後まで、聞け。
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