10冊目☆☆☆ リサ・クレイパス著「アテナに愛の誓いを」
勝手にレーティング:R18
先に断っておきますが、これまでに読んだ中で間違いなくぶっちぎりでR18だったと思います。(個人的な感想です)
従兄弟の伯爵が死に、限嗣相続で貧しい領地と伯爵家を継がなければならなくなったヒーローが、死んだ従兄弟の妻だったヒロインと、反発し合いながらも惹かれあっていくお話。
ヒーローは放蕩者の人を愛することができないろくでなしで、喪に服した未亡人であるヒロインと出会うなり衝突してしまいます。序盤のヒーローの素っ気ない態度とヒロインのツンツンっぷりが絶妙で、この先ふたりがどうなるのか気になってページを捲る手が止まらない感じで。ある出来事をきっかけにヒーローはヒロインのことが欲しくてたまらなくなってしまうのですが、ヒロインは死んだ夫の喪に服しているため手を出すことができません。領地経営に携わったり色々と関わり合っているうちに、ふたりは徐々に親密になっていくのですが…。
中盤で事故にあったヒーローがヒロインへの想いを抑えきれなくなって行動に出るあたりはめっちゃ「うおおおお///」ってなりました。ですが、ヒーローの愛情<<<欲情な考え方のせいでそれ以降ふたりが爛れた関係になってしまうので、エロティックではあるもののヒロインのお堅いところが好きだった私としてはちょっとモヤモヤ感が続くというか。ハンサム設定ヒーローの男らしい(胸毛があって脚が毛深くてヒゲがじょりじょりする)イメージを私好みのイケメンに脳内変換するのも大変でした(笑)
主役の二人以外の登場人物も魅力的で、悪人が登場しないのは本当に良かった。
この作品はザ・レイヴネルズシリーズの1作目で、エピローグは主役の二人ではなくシリーズ2作目のプロローグになっています。とても良いところで終わるのではやく続きが読みたくなる。さすがプロ!汚…じゃなくてえげつない!でも読んじゃう!みたいな。そういうわけで、主役の二人の物語はちょっと拍子抜けというか、物足りない感じで終わってしまうのが少しだけ残念でした。日本では翻訳されていない5作目が主人公の弟で私の一番のお気に入りのウエストの話らしいので発売が待ち遠しい限りです。
ちなみにこの作品、本編500ページ越えで文字も小さめの分厚い文庫本なんです。これだけ長編なのに最後まで夢中にさせてくれるのは本当にすごいと思いました。
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