キミの次に愛してる Ⅱ

第1話

「これって……」


 義兄の部屋に掃除機をかけていた僕は、義兄の仕事用のデスクに置いてある物を見て手を止める。


 それは、写真が入っていると判る台紙で。


 綺麗な花柄の表紙に、洒落た金色の英文字が入っていた。


「お見合い写真、だよね……」


 触れかけて、手を止める。


 僕が部屋を掃除するのを判っていて、こうしてしまわずデスクの上に置いてあるという事は、たぶん、見られても構わないと思っているんだろう筈で――。


 開けてチラリと中の写真を見ても、きっと義兄は怒らないだろう。


 それに例えば。もし見たとしても、僕が黙ってさえいれば、そもそも義兄にバレる事もないように思えた。




 ――けど。




 見れる筈がない。






 僕は掃除もそこそこに、堪えられずに義兄の部屋から出た。

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