第6話

声をかけるアキラに片手を上げて了解の意味を伝えヒロシの乗る自転車は見えなくなった。


あと数分で予鈴がなるので、真新しいアキラの靴箱で、ばたばたと靴を履き替え、まだ転校して日が浅い教室にダッシュした。

もう廊下には誰も居ない。走ったら教室にたどり着いた。


「ぎりセーフ」と隣の席の女子が言う。その後ろの席の女子が「アキラちゃん、間に合って良かったね」と微笑む。「ありがとう」と声をかけアキラは席についた。

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