5月4日(火) 広島市西区楠木町にある郷土料理店「やせうまだんご汁とおやつ 日日花」でランチする。

広島市西区楠木町にある郷土料理店「やせうまだんご汁とおやつ 日日花」でランチする。


休日は刺激に対して敏感に反応できるだけでなく、即座に動ける時間の融通があるので、地鶏を食べに「やせうまだんご汁とおやつ 日日花」さんへ行った。


それぞれのお店には入りやすいタイミングがあり、それを逃すと機会を失ってしまうことになるので、昼のすこし遅れた時間に店を覗くと、運良くカウンター席に座ることができた。


今日も気風の良い女将さんに挨拶して地鶏だんご汁を注文する。噂で兼ね兼ね聞いていたのでどんな味か楽しみにしながら、まずは平たいだんごを口にすると、滑らかな舌触りが明瞭に感じられる。飽きない味だけでなく、美味しい食べ物は毎度新鮮な実感を保つのを証明するように、今回こそだんごそのものが美味しい感じられる。それは錯覚ではなく刷新となり、人の味覚は慣れに対して風化していくこともあれば、質に対して感覚を発達させていくこともある。


噂の地鶏のミンチを食べると、旨味ともエキスともいえる黄色い明るさが染み出し、噛めば噛むほど味が表れてくる。手羽先ならば砕ける範囲まで砕き、エビの殻も好物だとおかしな自慢を最近は口にする本人としては、噛める料理はとても楽しく、尽きずに溢れる味の強さはとても好きだ。ミンチになっていない鶏肉も強く歯ごたえがあり、その分だけぼやけることのない味がある。そこに塩気の絶妙なゆず胡椒を合わせると、スープを口に含んで混ぜ、白米もがっと口に進む。そしてシイタケとゴボウが当然のように風味を加え、なんといっても味噌の入った明るい出汁が美味しい。


デザートに二色のおはぎも食べれば、さらっとしたあんこと香ばしいきなこは腹の中に平然と入ってしまう。やたらな甘さで重たくならないので、軽い気持ちでおなかにおさめることができた。


頻繁に食する常連さんの気持ちがよくわかる味で、家庭的な料理よりも、飽きない美味しさとして無駄なく綺麗に整えられただんご汁とおはぎは、野暮ったさを異にする肩肘張らない磨かれた味わいとしてある。だからいつも、美味しく食べられるのだろう。

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