5月2日(日) 広島市中区本川町にある空鞘稲生神社で行われた「広島酒呑詣」で飲んで食べる。

広島市中区本川町にある空鞘稲生神社で行われた「広島酒呑詣」で飲んで食べる。


先週の木曜日は祝日で休みだったが、今日から自分はゴールデンウィークが始まる。しかしこの呼び名は大人になった今となってはやたらむなしく、四連休があると言うだけだろう。


たいていこの時期の連休は衣服と布団の入れ替えとなり、気が向けば植物の植え替えもするのだが、今年もやる気なく、植木鉢はもらったがその気にならないので、下手に替えるよりも放っておくほうが意外に植物は元気に育つものだから、来年に持ち越す。


夕方に床屋へ行くので、他者にとって自分という存在の認識の手がかりとなる髪の毛のセットもせず、午前中に映画を観て、あとは家でのんびりすることにした。


空鞘稲生神社で「広島酒呑詣」があるとラジオでもSNSでも知っていたので、歩いて1分の距離を家で昼食をとってから出てみた。


当日向けの1杯に300円のチケットがあったので、まず天宝一を飲むことにする。プラスチックのコップという久しく使っていない容器は軽く、つい境内で口にしてしまい、公園で飲んでくださいと注意されたので、こぼさず気をつけながら外へ出る。きりっとしているがやや重たい辛口だ。ぐいっと飲んで家に帰る。


昨日から放ったらかしのとりこんだ洗濯物をたたみ、シンクの排水溝をすこし掃除して、ゴミ袋を取り替え、ゆっくり自分の時間を過ごす。


おやつの時に天気を見計らって洗濯物を回し、酔いがすこし覚めて小腹も空いたので、再び外に出て「広島酒呑詣」へ行く。


今度は半田さんのサザエの壺焼きを注文して、山岡酒造のこわっぱを手に入れる。公園の適当な石に座り、飲み、サザエを口にする。潮と肝に旨味が溢れて、とても美味しい。


するともう一個食べたくなったので、再び境内に入り、おかわりを手にして、福光酒造を注文すると、もう売り切れてしまったらしく、かわりに濁り酒をすこしいただかせてもらう。藤井酒造も品切れだったので、三宅本店の神力をもらい、また公園の一角で飲んで食べる。


どのお酒も華やかな香りや透き通った気品よりも、どことなく若い時にイメージを持っていた日本酒らしい古風な重さと太さがあり、それほど器用なお酒ではないらしい。


一人で立ち呑みする時の予算の目安は2000円なので、日本酒3杯とサザエ2個で1500円となった一時はちょうどよく、酔いも回って洗濯物を干し、掃除機をかけてから床屋に行き、ルイ・アームストロングのBGMとカットの心地良さにうとうとした連休の初日だ。

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