2月7日(土) 広島市中区本通にある広島PARCO新館で「Life Market 写真展」を観る。

広島市中区本通にある広島PARCO新館で「Life Market 写真展」を観る。


いくぶん写真に対しての抵抗感も抜けてきただろうか。何かで知ったので「Life Market 写真展」を観に行った。


画家ならいくらでも好きな人名をあげられるが、写真となると有名なカメラマンの名が浮かぶだけだ。とはいえ昨年「SHAMROCK」さんで観た桑原雷太さんの写真が今では好みとなり、インスタグラムであがってくる写真を観て、嘘偽りなく凄いと思う。自分の何枚も上手をいく旅行経験だけでなく、人物の表情を抜き出す質の高さと、程度の落ちない量にも驚かされる。


そんなカメラマンを探す心持ちがあるのだろう、足を運んだこの写真展は、率直に心へ届くところはなかった。裸をテーマに選ばれた写真が展示されているものの、ついヌードとして自分の持っている基準がエゴン・シーレの顔で表れてくる。乳首の写った作品や女性器すれすれの被写体もあるが、皮相の裸よりも、むしろ裸は内奥の肉質や個体の存在感を示すもので、ウィスキーや醤油の原液がある人にとっては過激できついもののように、裸も対象の個性を強く増し、醜さはより醜く、美しさはより鋭い美をさらけ出すことだろう。


構図の均等や綺麗な色調はあるが、どれもそれほど裸らしく対象を抜き取ってはいないように思える。それは自分の価値基準の中だけの話だが、語るよりも直に迫ってくる写真の刹那的な効力がやや乏しく、観れば観るほど違った味わいが浮かび上がる慣れの必要な絵画よりも、デザインの持つインスタントな効果が第一に表れる写真としては、どれも穏やかになっている。


どれほど写真を知っているか自分を知らないが、どんな作品も同様に、敏感に反応する自身の心こそ正直にあり、次に疑い、また疑う感性なのだろうと、簡単に撮ってはいないからこそ難しい写真を観て、ついつい斜めに考えてしまった。

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