12月31日(木) 広島市中区十日市町にある自宅の便器に座る。
広島市中区十日市町にある自宅の便器に座る。
大晦日はベンチに座って一年を振り返ろうと思っていたら、大寒波がやってきたので、しかたなく家の便器に座った。
もちろん用もなく座るのはおかしいので、極めてプライベートな閉鎖空間で、朝の事を済ませてのついでだ。
今年もいろいろあったけれど、自分自身は運の良い環境にあったので、のんきな者だった。とある本には、自己の個人意識から離れ、全体に対しての意思と同化し、自己犠牲の精神に至るところに解脱がある、のような意味が書かれていて、難しいので自分はそのように解釈している。いわばジャンヌ・ダルクのような一個人の命を省みず、全体を活かす為に進んで我が生命を捧げる稀有な偉人に、人間に限らず物質の極地があり、安らぎもあるようだ。
今の時代に、大小を問わず、また程度も別として、そのような全体に生きる人の例をいくつも身近に聞き知った。そのたびに、自己世界に没入したまま他人への同情に対して一切の頓着がない、我儘に生きる、いわば悪人という者の説明もとある本から思い出して、自らをあてはめていた。
全体の為か、個人の為か、誰しもその狭間で生きるようだが、意識することなくどちらかを選んでいる人が本物なのだろう。
つい考えて、文章が長くなるので、抱負の前倒しを実践しないといけない。来年は40歳になり、きりのよい数の境で意識を変えることもわざわざないと思うものの、時計の針は区分の意味を常に教えてくれる。
来年は良い年でありますように。ただそれだけを言えればいいが、つい力みがちな頭は、外の環境が大きくものを言うにしても、できるかぎり自分の意識を、無理矢理に良い年へ持っていこうと思ってしまう。
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