11月23日(月) 広島市南区的場町にあるカフェ「Cafe Igel/あかいはりねずみ」でサンドイッチを食べる。

広島市南区的場町にあるカフェ「Cafe Igel/あかいはりねずみ」でサンドイッチを食べる。


近いようで遠いのが夫婦の関係で、10ヶ月ぶりに「Cafe Igel/あかいはりねずみ」へ行った。


前回来た時は17時まで営業していて、サンドイッチの提供もまだ始まっていなかったから、たったという言葉は時の流れに対しての侮りになるが、10ヶ月の間に店もずいぶんと変化している。


そんなイメージを毎日提供しているサンドイッチの品揃えをSNSで見て持っていたが、ひさしぶりに入ってみるとそれほど変わっていない。自然と会話の生まれるテーブルを真ん中に常連さんがわいわいと話していて、赤い毛色のフレッドもところどころ白髪の生えたような古色となって触られるのは、この店の自然の風景だ。


しめさば+柿+ハーブライ麦パンサンドに、サラダとスープも注文する。ぬるっとした魚の身は柿のスライスも同様で、そこにクリームチーズとディルが風味を添える。とろっとした滋養のあるスープにマジョラムとスパイスがアクセントを作り、サラダはぼやけない野菜の味で持って辛みや苦みをしっかり伝える。


知っていたが、やはり美味しくなっている。以前は「量のわりに、すこし高いかなぁ」と思うこともあったが、今となっては素材の良さと味付けの組み合わせは独自のものとなり、提供価格の中でできる限り本物の味に迫っている。旅行と朝ごはんという肩書きに頼らず、店が出す料理の味は説得力を増している。あとは店主さんの愛想次第か、などと思うが、それは日常の付き合いでの個人的な嘆きであって、特別な関係だからこそついつい非難を捏造してしまう。


東区民文化センターでの文化活動も戻ってきているので、もう少し店に来る頻度は増えるだろうか。とはいえ、朝は混み合うことが多いらしく、昼にふらっと寄ったほうがいい。今となっては昔のように気軽に入れる時間は限られてしまった店だ。この調子だと、次来る頃にはフレッドの赤毛に白さが増して、しろいはりねずみになっているかもしれない。

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