11月16日(月) 広島市中区本川町にあるで書店「 READAN DEAT」で「Johanna Tagada Hoffbeck 個展」を観る。

広島市中区本川町にあるで書店「 READAN DEAT」で「Johanna Tagada Hoffbeck 個展『From brown to pink, from pink to green』」を観る。


気になっていたので、仕事帰りに「 READAN DEAT」さんでジョアンナ・タガダ・ホフベックさんの個展を観た。


用意されたタブレット端末には小鳥の声が流れ、畑での風景はジョアンナさんと共に動いている。ロングショットも含まれた固定のカメラは穏やかで、収穫した野菜を地面に見下ろして映している。実写画面に挟まれるのは、おっとりした白いフォントと暖かいカラーの背景色に、食べたり着れたりしそうないくつかの絵だ。


壁面には写真が6枚展示されており、左の作品から観て考えた。いったい何を意図にしてこの場所に選ばれたのだろうか。ぼやけた樹木の白い花を端に、奥にはベンチと見紛う木と木と木がある。色の異なる木材は野菜を入れたり、何かの壁になったのだろうか、雄弁に物を語るのではなく、むしろ黙っているような写真だ。


他の写真もフィルムカメラらしい発色があるものの、ピントは合ったり合わなかったり。にこやかな男性像や青の背景のラディッシュはそれぞれに伝えてくる表情や色はあるが、接写した植物はどうだろうか、あまりにあどけなく思えてしまう。


写真を写真で撮って見返すと、実際に目の前に立っていた時よりも色と線の持つ効果は知れるようだ。どうして本物の作品を前にしていた時には気づけなかったのか、自分の一日と体調のタイミングがそうさせたのだろうが、見えた気はしなかった。


ロックダウンの中での畑仕事と解説があり、日常らしい風景はウィルスから開始された社会変革の非日常で、その写真と動画が残された頃にはどれくらい日常で、非日常であっただろうか。


思索と労働が畑にあるようだ。ふと、文化の原点に働くことで、不健康になる人間はいるのだろうかと考えた。いないことはないが、およそ考えられない。


写真による初対面は、多岐にわたって活動をするジョアンナさんのワンピースであり、店主さんの話を聞いていると、出版している本やイラストを知っていれば本人をすぐ見つけることができたのだろうか。


良いは悪い、悪いは良いなどの両面性のように、日常と非日常を模索するようで探さない、そんな風景を太陽と汗に浸かり、ふと作業を止めて空と土を見たような気がした。

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