10月26日(月) 広島市中区袋町にある日本酒バー「酒BAR 艶」で飲んで食べる。

広島市中区袋町にある日本酒バー「酒BAR 艶」で飲んで食べる。


なかなか家に帰らせない地ぐ酒ぐで、「まだ消化不良!」という恐ろしい言葉に従って2店目に入る。


この界隈らしい間取りが2階のファサードのガラスにあり、暗い色調の店内はシックな雰囲気がある。通行証のようにスタンプカードをカウンターに置き、神石の冷たい神雷を入れもらい、5種がのったお通しを口にすると、離れたカウンターにいるお客さんと福山についての話があったらしく、消化不良のお隣さんはもの凄い食いつきをする。まさに入れ食い、このエネルギーは凄まじく、政治家顔負けの雄弁をふるうと、しみじみという言葉がまるで合わない雰囲気がマグマのように醸造されて、顔馴染みのように隔てなく会話の沸点はキープされる。


この日は横川にある「Bar atelier」の方が店に立ち、しっかりしたバイトちゃんと福山出身の男性客さんと三角形に言葉が飛び交い、やはり酒が進めば話題は男女の仲となり、攻める人がいれば守る人もいると、バスケ部だった自分とお客さんではなく、なぜかサッカー部だった人が試合中の「ディーフェンス、ディーフェンス」というかけ声をあげるから、もうおかしなものだ。


鮫の軟骨の梅和えの食感が珍しく、ホタルイカもよく浸かり、炙りも酪も良い味だ。追加の酒は燗となり、広島の葉わさびと味噌をあてに頭に辛みがつのる。


誰もが一致しているのは酒好きで、消化不良を満足させる集いと地ぐ酒ぐに笑みが伝染する。

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