8月23日(日) 広島市中区袋町にあるベトナム料理店「ノンラー」でブンボーフェセットランチBを食べる。

広島市中区袋町にあるベトナム料理店「ノンラー」でブンボーフェセットランチBを食べる。


昼過ぎに映画があるので、すこし早めのランチをとると前夜に考え、麺類がいいと思った。蕎麦、ラーメン、袋町界隈で考えて、どうもピンとこないでいると、フォーが頭をよぎった。


そんなわけで、いつオープンしたか知らないが、そう古くはない「ノンラー」へ行った。ただ、予定が前倒しになってしまい、11時前に開店時間を調べようと7階に上がると、すでに開いていたので、こちらがあたふたしてしまった。


とはいえ、11時開店と書いてあるので、こちらがフライングしたようなものだ。ブンチャがあれば食べたかったが、ランチセットにブンボーフェがあったのでこれを注文する。


この近くにある店や、横川と白島にある店に比べると内装はあっさりしている。他が上手に凝っているからだろう、ここはビルの上階というテナントらしい感じがそのまま残っている。


ブンボーフェはレモングラスが濃く、胡椒と塩気の強い味で、ふと昨日「中華料理には味の素を使う料理がある」と聞いた話を思い出すように、見えないきつい味を感じた。そういえば、東南アジアの料理にはこのようなよくわからない旨味を感じたものだ。スライスの牛肉はビーフジャーキーらしい赤い牛の風味があり、これはベトナムらしい脂のすっきりした味わいで、驚いたことに小さな豚足もあり、ぶよぶよしたゼラチンも脂と臭みは削がれていた。少し太めの丸い麺は小麦に比べると味わいは物足りないが、このつるっとした食感こそが米らしさだろう。生春巻きが付いているのはうれしく、やはり脂の抜かれた鶏肉がしかと入り、大葉も包まれたそれは甘辛いタレにつけると爽やかになる。


柑橘を絞り、生のしゃっきとしたモヤシを放り込み、スープは残して完食する。ゼリーは飴色でコーヒーゼリーらしいが、それより蜜の甘さを感じた。


肉の味や生春巻きを考えると、このセットで1000札で足りるのは手頃だろう。スープの味は好みが分かれるにしても、全部入れて味わう雑然とした味わいは間違いなくベトナムだろう。新しいメニューとしてカエルの炒めものがあり、ドジョウやスズメも提供する昔働いていた居酒屋のように、食に対する自然な泥臭ささが思い出される。


やはり過去の旅行を頭に浮かべながら、ベトナムはいい国だと改めて感じるランチになった。

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