8月8日(土) 広島市中区鉄砲町にあるチョコレート店「六感chocolate」でケーキセットBを食べる。

広島市中区鉄砲町にあるチョコレート店「六感chocolate」でケーキセットBを食べる。


近くにあるギャラリーが開いているか見に行き、その途中で前にも気になったこの店が目に入り、2階にイートインスペースがあることを知って入った。


ただ、疑いなく満足する時間とはならず、むしろ不満足をいくつも探すことになった。テーブルに着くまでの待機時間を別にして、席に着いてからケーキが運ばれるまでの間に疑問が湧いてしまった。皿に載せて出す。ただそれだけに何があるのだろうか。


選んだプリンセスタルトはミルクチョコレートがたっぷり詰まっており、口に運ぶと、ねっとりしたチョコが唇でとりきれずフォークに残るほどの粘度だ。カカオの持つ特別な風味や洋酒での味付けは少なく、まさにチョコレートらしいわりと澄んだ味となっており、上部のクリームにはビターなチップが振りまかれ、底部のクッキー生地はすかすかした味となっている。一つだけ選べるチョコは白いピスタチオにしたが、ホワイトチョコらしい味が強くピスタチオの風味はほとんど感じられなかった。ピンクの花弁も食べられるのかと口にしたら、苦味が強く、どうも食用ではなさそうだったから残してしまった。こぼれるクッキーは塩気で飛び散り、唇型のクッキーはココアらしいあっさりした風味で、マスカットはさすがの威力だった。コーヒーは薄味で、チョコレートを控えめに引き立てる役割に徹している。


ここで疑問に思うのは、これだけで昼のランチを上回る価格となり、店で飲食する全体を含めてのサービスを考えれば、自分にとっては安いものではない。テーブルは造花で飾られていて、店内も灰色を基調にモダンにこだわっているが、窓の飾りが足りなかった。待ち時間のせいで、いかにも上辺だけという印象は否めなかった。


ただし、帰り際に店員さんが「バタバタしてすいませんでした。ぜひ次いらした時は、ゆっくりしてください」と一声かけてくれた。やはり待ち時間に何かあったのだろう。これがあるかないかで後味は全く異なる。


三越の中にあるブランド菓子店とほぼ同価格でイートインできるが、はたしてその価値はどうだろうか。それでも、若い女の子がイスに座って2階の席を待っているから、可愛いという価値はとても魅力があるのだ。

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