7月3日(金) 広島市安佐北区可部町にある農園「つぼくさ農園」の野菜を食べる。
広島市安佐北区可部町にある農園「つぼくさ農園」の野菜を食べる。
横川の「豚鳥」さんや的場の「あかいはりねずみ」などで限定販売されているつぼくさ農園さんの野菜を購入した。日々の農園風景が日記のようにSNS上で展開されていて、その活力ある働きがどのような野菜を生んでいるのか気になっていた。
持って帰ってもらったのが夜の寝る前となり、なるべく新鮮な状態で口にしたかったので、明日を待たずに生を少しずつ味わうことにした。ただ、ピーマンや紅かぶは問題ないだろうが、ツルムラサキとニラはネットで調べてからだ。
ピーマンは、青い苦みがかっとくるようで、みずみずしく、土の味がよく染み込んでいる気がした。近所の安いで有名なママの為のスーパーで買っていた物に比べて、植物としての風味が断然強かった。
きゅうりは、あの河童の匂いよりも、水気のあふれる甘さがひとかじりで口に広がる。漬けてもいいだろうが、塩で十分を感じられるであろう味だ。
人参は、甘さが優しく、子供の時に嫌いだった特有のえぐみはなく、このままサラダでもおいしく、また、酢にさらしてもよい鮮度の良さで、食感がこりこりしてよかった。
ツルムラサキは、この野菜特有の新鮮な風味とねばりがあるものの、噛むうちに酸味と青い味がどんどん増加して、シュウ酸というのだろうか、葉もの特有の個性の強さが口を占領した。一枚の葉のもつ風味の膨らみは想像力のようだ。
紅かぶは、先端をかじったからだろう、まず芳香のある辛みが一気に口に広がり、そして甘みをもった多くの味わいが口に混ざっていき、持っている風味の厚さと豊かさを体感した。
そしてニラは、一噛みすると強烈に辛みと風味がのぼってきて、顔をしかめてしまい、これはさすがに生で多くは食べられないと思うほどの個性の大きさで、餃子とチヂミがごま油と一緒に言葉として浮かぶばかりだった
めっきり料理をせず、せいぜいキャベツを生でかじるくらいしかないから野菜の味の判断は自分でも疑わしいが、とにかくどの野菜も強烈に存在感がある。これこそ火を入れたりした時に大きく変貌する要素であって、良い香りの元が非常に臭く感じたり、濃い性格の人と近くで生活するとうっとうしくなったり、なにより存在の強さが味の良い悪いを決めることを考えさせられる。これらの野菜は、毒にも薬にもならないことは決してない。料理の腕前で美味しく仕上がるのだろう。
そんなわけで、いくつかは生で食べるにはこちらがまいってしまう生きの良い野菜だから、ひさしぶりに台所のコンロに火をつけようと、ニラの風味を口に感じながら眠りについた。
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