前のエピソード――５月２４日（日）広島市中区立町にある居酒屋「かき小屋さかなや道場広島立町店」で海鮮丼を食べる。

広島市南区皆実町にあるうどん店「幅屋」の配達サラダうどんセットを食べる。

大手２社の宅配サービスに頼るのではなく、幅屋さん自身が配達してくれるハーバーイーツは、うどんという配達に適さないと思われる食べ物を自宅に届けてくれるだけでなく、野菜やコーヒー豆、おやつも一緒に持ってきてくれるという優れたサービスらしい。妻が前回ゆで麺を頼み、茹でた麺だからこその食べ方を率直に味わった。そこには偽りがなく、ありのままの説明があった。

今回はサラダうどんセットを頼んだらしく、家の鍋で２０分茹でてから、高掛農園さんのベイビーリーフと幅屋自家製ドレッシングをかけていただき、家でこれほどのうどんを味わえるのかと驚いた。

太い麺だから家の小さい鍋ではとても茹でられないと思っていたが、小さくてもそれ以上のうどんができあがった。鍋が弱くてもコシが強いなどと単純に言えない麺の各部位の繊細な出来上がりに、透明感のある小麦の豊かで清潔な味わいは、多くの可能性が拡がっていた。家でこれほどのおいしいうどんが食べられるだけでも驚愕なのに、ドレッシングを必要とせずに食べることのできるベイビーリーフが大量にあり、これがあるからこそすべてがより生きると納得させられるドレッシングの旨さといったら、デリバリーサービスの最先端どころか、その先を広げる素晴らしい実行力に溢れていた。

本当に凄いことだ。感染症の影響を理由にするのは仕方ないことだが、これほどの発展を実現する幅屋さんは、間違いなく特別な存在だろう。

挑戦がデリバリーの可能性を大きく広げていると実感させられる、他に類をみない素晴らしく美味しいサラダうどんだった。こういう限界を広げる活動は、真似できないと諦めてしまいかねないほどだが、見習うべき姿勢の真価の具現化だろう。恐れ入るほどだ。