3月1日(日) 広島市中区基町にある蕎麦店「江戸そば やぶそば 広島店」でせいろうそばを食べる。

広島市中区基町にある蕎麦店「江戸そば やぶそば 広島店」でせいろうそばを食べる。


「残さず食べなさい」という躾通り育ち、余程の事がなければ食べ物を残すことはないせいか、時には食べ過ぎてしまうことがある。痩せの大食いまではいかないが、馬鹿の大食いに近く、胃下垂体質のおかげでこれ以上食べられないというほど腹一杯になることは食べ放題以外はあまりなく、小さい頃の食事嫌いは成長によって反転して生まれつきの食い意地を好ましい性質だと思っている。


ただ胃腸がそれに付いてこないことが多く、ある人に会うと「いつもおなかを壊した話をしているみたい」、「見た目通り弱そうだよね」なんて言われて、たしかに食中毒らしい症状になったことは2桁近くある。両親共々胃腸が弱く「気をつけなさい」と繰り返し言われ、それが原因で気も病んでしまうからと注意された。


気はとても病まないが、最近のラーメンのスープとピザ、それに飲酒が祟って腹は弱っている。そんな時は食事の量を少なくして、嫌いじゃない蕎麦を食べればいい。虚弱体質に見られがちだが、蟻とキリギリスの例えを夫婦間に照らし合わせて、いつまでも死なないバッタ野郎と自覚する。


蕎麦はよもぎを想起させる香しさがあり、つるっとする細い蕎麦は背骨がしゃきっとしている。とても上品だ。つゆは鰹がおおらかで、鋭さと紫よりも、丸みとふくよかな茶色の重みがある。わさびは大根おろしくらいの擦りで、辛みは優しく控えめだ。


少し量が足りないと思うくらいがいいとわかっている。今日の蕎麦はそれくらいだ。落語で言っていたが、胃腸が弱ると眠りが浅くなるらしく、最近は夢ばかり見ている。


睡眠の質を考えてしまうが、それよりも夢を楽しむのみだ。壊れてから気づくのだろう、大切な体だったと。それでもかまわないから、今をついつい楽しんでしまう。

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