8月14日(水) 常滑市栄町にあるレストラン「常滑屋」でチラシを食べる。
常滑市栄町にあるレストラン「常滑屋」で常滑チラシを食べる。
着いた先の観光案内所で必ず尋ねないといけないのが、おいしい食べ物がある場所だ。職員さんが女性の場合だと、返答に濁ることは決してない。「洋食ですか、それとも和食ですか?」と逆に聞かれて、中華なんて考える暇なく、「伊勢湾に面しているから、海産物が有名ですかね」と言い、和食を教えてもらった。
うなぎ屋も地図に丸をつけてもらったが、安いうなぎなど滅多にありはしないから、緑の散らばった写真が魅力的に映った「常滑屋」に決めた。
太めの梁がいくつか天井を支える日本家屋の店内に入ると、「もうカレーはなくなってしまって……」と言われるが、「チラシを食べたいのですが……」と答えると、物柔らかな男性店員も自分もほっとした。
椅子が、先程まで見てきた土管の形をしている。壁面には金箔を背景に菖蒲の綺麗などこかでみたことのあるような絵などが飾られていて、雰囲気は落ち着いている。
運ばれてくると、魚はキスらしい。熱い茶が風味豊かにあり、卵とじの汁はシメジとエノキダケによりキノコの香りが全体を占めていて、千切りの紫蘇は見た目通りに香り、ほのかに味のついたキスは淡泊で甘く、すっきりとしている。
酢飯はおいしいなぁ、と口を動かして、煮物の大きな大豆を箸で口に運んでいると、一個が落ちて、テーブルに弾み、荷物を入れた地面の籠のどこかに飛び込む。まあいいや、あとで拾おう。
食べ終わると、和菓子かムースか、とデザートを選び、茶がおいしいので和を選ぶ。葛の香りと甘さがのぼる和菓子の名前はわからず、餡はあっさりとした味つけで、涼しい見た目通り冷涼感をもたらしてくれる。もちろん茶にも合った。
もうすこし魚の種類が入っていたらと思うも、それは欲張りだと、胃に血の回った頭が動いた。
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