5月2日(木) 広島市中区榎町にある洋菓子店「オーブ パティシエ シンジ モリ」でお菓子を買う。
広島市中区榎町にある洋菓子店「オーブ パティシエ シンジ モリ」でお菓子を買う。
二月に一度のペースが、月に一度になり、今は週に一度となる。初めて食べた時からの美味しさは、変わらないどころか、幅と深さに広がっていく。
フォレ・ノワールは、上から、優しく固められた表面の中にミルクの効いたココアかカカオの滑らかなクリーム、卵とバターの甘くややオイリーな明るいクリーム、落ち着いたチョコの風味にしっとりしたスポンジ生地、最上部のクリームよりもかっちりしたよりココアかカカオの香るクリーム、より甘くシロップが染み込んだスポンジ生地、間に、深く漬かって甘み、酸味、苦味の角が取れて上品な重さのチェリーがあり、一緒に口にすると、上段二種類のクリームが細かいニュアンスで絡まりつつ、違った階層でスポンジ生地がそれらを受けとめて、それぞれの味が混じり合いながら消失していく。
アンジェリックは、玉型の表面を覆うのは濃く重く、馥郁たるマロンペーストで、粉っぽい舌触りで溶けていくのに栗の実の名残りを感じ、中は白いミルクのクリームで、甘ったるくない、脂肪分があるも外側よりもはるかに軽く、混じりっけのない明るさにあり、土台のサブレ生地はシロップがよく染み込んでいながら、外側のさくっとした生地からバターの強い存在感があり、中心部に紛れもない栗の実が素材を活かされたままあり、一緒に食べると、マロンペーストが大きい位置を占めて移ろいつつも、質量のあるサブレがほぐれて、秒針よりも早く繊細な時間で変化していく。
ガトー・バスク・レジョンは、硬そうな見た目と違い、噛むとほろほろこぼれる生地で、豪快なバターの薫りと甘さが大きく広がり、チェリーの味が遠くから響いていて、内部には萎んで凝縮されたチェリーがたくさん潜み、一緒に食べると、神経の行き届いた洗練された構成ではなく、土地の伝統と性格がとても良く感じられる、色々な甘さに移ろう闊達な暖かさが染み渡ってくる。
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