10月14日(日) 広島市西区横川町にある「アジア池」でランチを食べた。
横川町にある「アジア池」でランチを食べた。
アジアを旅行したことのある人なら、「あっ、これ、見たことあるような」と思う雑貨が店内を飾り、台湾やタイに見つけられる古い日本の色合いと思い違うというか、仏教に根ざした懐古的な蓮の色合いを店内から受け取ってしまう。
メニューもカラフルで、ハス茶も、ランチプレートも、デザートも同様に凝った色合いで盛り付けられている。青、緑、黄、紫と、日本にある色も、東南アジアでは色調がより明るい。色は土地の自然が基本にあるから、濃くも薄くもある緑の葉や、熱帯の熟れた果物、蓮の花の神仏的で妖艶な色など、食べ物から湿気や温度さえ感じる。
ハス茶の一杯目は、ミルキーで甘く芳しく、二杯目からは濃く、重みを増してくる。
プレートは東南アジアの元気な大地のように、緑の野菜があちこちから伸びている。肉団子は生姜の香りがつんとして、タレは日本の醤油でないシーズニングソースの甘辛さに、バイマックルとレモングラスの煮込まれた残りがあったので、噛んで味を抽出した。
スイートチリマヨソースが甘く、卵との相性は抜群だ。かつおくるみが美味しく、恍惚とするかつおの味に食感のよいくるみが濃厚に後から広がってくる。
ベトナムなますは、甘酸っぱく臭う味が一瞬で遠くのイメージを切り取るが、これは魚醤も、酸味も穏やかで優しい。洗濯板のような切り口の大根がなぜか現地を思い出させる。
トムヤムもやし海老のせはすこし濃い目の味付けで、もやしはしっかり味が染みている。海老はいつも白いイメージを口にもたらす。
アボカドと豆のクミン炒めが最も鮮烈な風味だった。クミン好きにはたまらない。さらに豆好きとあってはどうしようもない。本当に美味しい味付けだ。
デザートのトロピカルフルーツのラッシーアイスも凝った色合いで、タイ、スリランカを思い出す。紫の色はなんだろうか、紫蘇の粉だろうか。かぼちゃの種、ドライマンゴーのスティックと、色々と味わえる。
店の雰囲気と配膳は直結している。ここは細かな味と色彩を楽しむところ。天気の良い日は窓から日が射して、アジアの太陽による店内の小物と素材の発色が浮かび上がってくるだろう。
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