前のエピソード――９月２３日（日）広島市中区基町にある広島市映像文化ライブラリーでジュリエット・ビノシュ監督の「レット・ザ・サンシャイン・イン」を観た。

的場町にある「あかいはりねずみ」でシチーを食べた。

行ってみようと思っていたインドカレー屋に行けば、大きくはないがショッピングモール内にあって急に食べる気がなくなり、白島のイタリア料理屋に行けば休みで、幟町のフランス料理屋に行けば一人分さえも材料がないと断られ、上幟町のフランス料理屋に行けばちょっとこの日の予算に合わず、仕方なくうどんを食べようと嫁さんの店の隣にあるうどん屋さんに行けば八人ぐらい並び、食後に訪れようと思っていた店で昼食をいただくことになる。

シチーというスープにもっと酸味を記憶していたから、濁った味ではなく、あっさりした素朴な味にはっとなった。すこし物足りないと思ったが、ベーコンのだしが効き、ヨーグルトの酸味がスープに混ざり、ディルが薬味として発揮すると、貪るように飲み干してしまった。

パンは家で食べるのと違い、店で食べるとやっぱりかしこまった味になる。その分だけ普段よりも酸味と味わいの輪郭が見えて、いかにその場の雰囲気が味に左右するかを実感する。

ただ、自転車でコウモリのようにばたばたと店を回ってきたせいで、腹が減り、もうちょっと量が欲しくなってしまった。

そしてあまりいると邪魔になるから、そそくさと店を出た。