第31話 終わりへの道と懺悔
南雲が目を開けると、葉山の姿が無かった。
京也と思われる人狼が右腕を赤く染めている。
その手の先では、人狼の身体だけが横たわっていた。頭があったところからは、血がしぶきを上げている。
辺りを見渡すと、南雲の斜め後ろの方向に、狼の頭が転がっていた。
「夜の行動が終わった」
低く、唸り声とも聞ける音は、次の日を知らせる。
「昼間の行動だ、処刑されるのは、俺だ」
京也は左手の中に隠していた拳銃を南雲へ投げる。
「俺は、七ノ瀬項矢を殺した。遠野透を殺した。水沼陸を殺した。葉山優夏を殺した。そして、西川若菜を殺したんだ!」
京也の目は怒りで震える。
「罪を犯したんだ。罰は受けなくちゃいけない。命を奪ったんだ。代償は、この命だろう?」
京也の表情は哀れみで満ちている。
「一番最初の夜の、七ノ瀬の腹を貫く感覚が、ずっと身体にこびり付いているんだ」
京也の頬に涙が流れる。
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