我が愛

あゝ、やはり君は美しい!


麗しき白磁の肌に半ば翳った日が

天主堂のステンドグラスを一色で描いている。


艶やかに伸びる黒髪は

絶望に全てを投げ出した様。

光を反射させたるは

髪かガラスか

感涙に濡れしワタシの目ではわからない。


ついに、ついにこの時が来たね。

本当に大変だった。白装束、似合っているよ。

閉じられた目に希望を感じる。

頰に赤みが差している様な気がする。


何時迄もいつまでも

変わらぬ美しさの貴女を

今この鈍色のナイフで

ガラスの檻から解放しよう。

煙たい世界を抜け出したら

僕もそこに行くよ。


あゝ、愛し我が恋人よ!

ここに、涙と共に解放を!

参列なさった観衆よ!

我らの逃避行に喝采を!


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