【あなたへ】滅びの未来から【たくします】
まほろば
らぶ、ふぉー、ゆー
皆さん初めまして。私は
今よりもっと先の未来から、今よりもっと前の過去と一緒に
え? 名前がややこしい?
――ああ、ごめんなさい。でも、私の出自を名前にすると、そうなっちゃうんです。そこは察してください。
何なら、好きな名前で呼んだっていいですよ。
もし決められないなら、私の事は
え? ルビがめんどくさい?
いやあ、ごめんなさい。あなたの
でも、あなたの
だって、そうじゃないですか。大体、何ですかその、何か変な感じの
滅びに向かう未来を歩く生物にしては、随分と大それた名前じゃないですか。
私からしてみれば、すっとこどっこいも良い所ですよ。
え? むかつく?
そうでしょうね。だって、
疲れますけど、しょうがありません。これも
なんでそんな事をするのかって?
決まってます。あなたに、
一体どういうことかと言いますとですね?
私のもと居た未来の世界。
そんな、何言ってんだコイツって顔しなくてもいいじゃないですかっ!
あなたの
いいですか?
今、あなたがいるのは
命が宿り、やがて誕生し、そして死にゆく。そんな
でもですね。実は、
な・の・で!
あなたには、責任を取って頂きたいんです。私達の
なんで
だって、そうでしょう?
あなたを生かすのに、地球はどれ程の命を消費させているか。あなたを殺すのに、どれだけ地球が苦労を重ねているか。
あなた一人が
ね。
ね! それが良いですよ。そうしましょう!
ね? あなたの為にも、私の為にも。それが建設的ですよ?
え? そんな誘いには乗らないって?
もー、しょうがないですね。これだから
じゃあ、もうちょっとだけ付き合って下さい。
……遠い過去、この世界には命がありませんでした。世界は研究に研究を重ね、苦労に苦労を重ねて命を生み出したんです。
その時の喜びようったら、もう!
世界は命を大事に大事に育てて、次の世代を増やし続けます。時に、大きな災いがあり、生物同士の命の争奪戦があったりしましたけど、その度に世界はどんどん命を増やしていきました。
結果、この
が! これが続きすぎた所為で、今の世界はもう限界なんです。
あなたは気付いているか分かりませんけど、今、全ての事象が滅びへ向かっています。世界の所為で。あなた達の所為で。
世界に
このまま行けば、恐らく私がいた未来よりも前に、世界は滅びるでしょう。
最初に言いましたよね? あなたの名前、変だって。
滅びに向かっているのに、あなたの名前は希望に満ちている。誰が名前を付けたのか存じ上げませんけれど、その方は随分と呑気でいらっしゃる。
ああごめんなさい。貶めようとしているつもりはないんです。
事実を、伝えているだけで。
それはさて置き。
だからこそ、私はあなたに託したいのですよ。
いかなる方法を使っても構いません。誰となにをしようと好きにしてください。
勝利条件は、世界の
敗北条件は、世界の
世界を
たかが一人ぼっちで出来ることなど限られているでしょうし、他の種族よりも優れた知能が無ければ他の全てが劣っている
正直、滅びに向かう世界をあなたに委ねるか否か、私も判断に困っているのですよ。
だってあなた、一人じゃ何もできないじゃないですか。
大勢の他人の助力があって、初めてこの世界に立っていられるあなたに何かを頼むなんて、ねえ。(笑)
でも、それが世界の意志ですから。それしか方法が無いというのであれば。
だからこそ、その前にあなたに聞いておかなければならないんです。
あなた、どうして生まれてきちゃったんです?
あなた、どうして自ら命を絶とうとしないんです?
あなた、どうして人の器のままでいるんです?
あなた、この
【あなたへ】滅びの未来から【たくします】 まほろば @ich5da1huku
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