三十五年目のラブレター

如月芳美

第1話 手紙

 あなたがこの手紙を手にする時、私はもう死んでいるでしょう。それが明日なのか十年後なのか私にはわからないし、もしかしたらこの手紙はずっと日の目を見ることは無いのかもしれません。


 私はこの手紙を書き終えたら山に行くつもりです。そこで私は死ぬでしょう。私の死が単なる事故によるものでは無いことの証として、これを残して行きます。

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