好きなもの紹介
楸 梓乃
第1話 仮面ライダーエグゼイド トゥルーエンディング
まずはじめに。
私は『仮面ライダーエグゼイド』という特撮番組が大好きだ。
2017年から2018年にやっていたので、もう2年前くらいの作品になる。
『仮面ライダー』シリーズは毎年新しい世界観で物語が展開されていくので、二つ前となるとなかなか古い作品となる。
それでも私がなお好きなのは、この作品にあふれんばかりの魅力があるからである。
さて、『仮面ライダーエグゼイド トゥルーエンディング』は、副題がついていることから察せられる通り外伝(映画)である。
仮面ライダーはテレビ本編があり、その外伝として映画があるスタンスをとっているのだ。
ではなぜ、私は本編より先に外伝を紹介しようと思ったか。
それは、この『トゥルーエンディング』だけ観ても、初見の人にニュアンスが通じると思っているからだ。
予備知識は以下の通り。
主人公たちはドクターであり、ゲームの力で戦う仮面ライダーである。
以上。それだけおさえていれば、多少わかりずらいところがあったとしても、映画の本質的なところは見失わないだろう。
さて。
今作は実際の病気である小児脳腫瘍を扱っている。
手術が難しく、成功しても障害が残る恐れのある病気だ。
そんな小児脳腫瘍を患った少女が、仮想現実の中へ閉じ込められた。
そう仕向けたのは彼女の父親。
現実の世界で死を待つばかりの娘に、せめて仮想現実で幸せになってもらいたいという親心だった。
しかし主人公はそれを認めなかった。
父「たとえ難しい手術や放射線治療に成功したとしても――あの子が成長する過程で――様々な障害に苦しむ可能性がある。命を救えたとしても――あの子の救えない!」
主人公「救える!」
断言である。
これは本編を観るとよりわかりやすいことなのだが、彼はかつて医者に命を救ってもらった過去がある。そしてその医者に笑顔にしてもらったのだ。
それがこの後のセリフに続く。
主人公「未来に希望があれば人は笑顔になれる。笑顔でいれば人生は救われる。僕はそう信じてる。現実の世界でまどかちゃん(小児脳腫瘍の子)の笑顔を取り戻さなきゃ意味がない!」
父「きれいごとはよせ!」
主人公「きれいごとじゃない。子どもの命を――子供の笑顔を守るのは――僕たち大人の義務じゃないか!」
主人公の実体験からくるセリフ。
実はこのシーン、小児脳腫瘍の会など実際に病気になっている方々の話をもとにつくられている。
主人公と、このあと手術をする外科医役の役者さんは実際に勉強会に参加したのだとか。
父と子のすれ違い、実際の病気とドクターたちの信念など、1時間だけの映画とは思えないテーマ性が詰まっている『仮面ライダーエグゼイド トゥルーエンディング』。
おもしろいので是非ご覧ください。
好きなもの紹介 楸 梓乃 @shino7
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