1話 それぞれの場所 side:奈那
【side
鏡の中に引き込まれて、今日で大体2日が経ったと思うなぁ。
最初はよくわからず、六芒星(?)の陣営に全裸で立っていたなぁ。恥ずかしい。
目を開けるとそこには、白いローブでフードを被る五人の【人と人じゃない種】がいた。
最初は話が通じなかったし、何言ってるかさっぱりだった。
ただ今では【魔法】のおかげで言語が通じる様になった。
だけど、世界観が違うというか、色々と違う点が多すぎて飲み込むのに一苦労
本当にここはどこの世界なの?
私の名前や素性に関してもその魔法で確認したみたい。
本当に嫌な性格。 別に時間が解決するなら話すのに...。
そして、目が合い話が通じるようになってから急に五人の人達に言われた。
[[[[[来るべく災厄が來る。聖女の名の元にその力にて滅ぼしてほしい]]]]]
まったく訳わからないんだけど!
どんだけ他人任せなの!?
え?いきなり呼ばれて、いきなり世界規模!?
なんなのここ。 本当に意味わからない!
私は頭でも考えても意味ないとわかっていて、どうにか戻れないか考えた。
むしろ、何であの鏡が光ったの?
あれは愁がいきなり買ってきてくれただけの鏡...
アイツのせいなの?殴っちゃったから?怒ったから?
そうだとしても、私が色々されたのに
まだ私に迷惑かけるの!?どういうこと...
私は愁が悪いと決めつけ、色々と物事を考えてしまっていた。
ってか何このファンタジーな世界
まったく意味がわからないんだけど。
ただ、全てが愁のせいではないと思ってきた。
アイツにこんなことできるならもっと前にする場面があったからだ。
やっぱり違うのかな...。
私は自室の窓から見える庭園を見ながら考えていた。
二日間私はショックでそのまま寝たきりだったみたいだし。
さっきメイドさんから聞くまではわからなかった。
「愁なにやってるのかな...言い過ぎたかな」
私は一人で自室の窓辺に腰を掛けため息交じりに呟いた
その時メイド服の女性に声をかけられ、白いドレスを身に纏い広間へと向かった
広間に着き、大きなステンドグラスのような窓に天使が描かれている
ここの広間も広いなぁ。
中央扉を抜けると計り知れないぐらい大きな天井があり
左右にはその天井を支える支柱が連なっている。
そして、食堂に繋がる階段が右の方にあるらしい。
メイドから聞いたから恐らくあってると思う...。
そして中央まで歩くレッドカーペットが敷かれている。
私は今その中央まで歩いて左右の窓に描かれているのを見てる。
「綺麗だなぁ。」
気を取られながら見ていると後ろから私の方に向け、声が聞こえた。
声は好青年のように鋭く、何処か柔らかい印象
そのまま私は声のする方に身体を向けた。
「姫、お身体の調子は如何ですか?」
耳が長い白肌の好青年が問いかけてきた。
そのまま私は顔を引きつりながら質問を返した。
「あぁ...えっと...体調は大丈夫...です」
初めてみる【人種】に未だ戸惑いしかない
どんだけカッコいいのよ。
ただ何人なの!?白いから白人なの?
ト○・クルーズって耳長かったけ。
私は自分の元いた世界にどうにか結びつかせようと必死に考えた。
その時その男性のやや後ろから渋い声が聞こえた。
「クリス坊。嬢ちゃんが怖がってるじゃねぇか。」
荒い古風な喋り声が聞こえる方が好青年の後ろにいる。
そこには鉄の兜を被った背の低いおじさんがいた。
「アーロック。私は坊と呼ばれる歳ではないと何度言えば...」
ため息交じりにクリスと呼ばれた好青年が小人のおじさんと話してる。
なにこれ。どこの新喜劇ですか。
顔が引きずっていたが、また少し引きずってしまった。
「二人とも!姫の前なんだから言い合いはやめてよね。もっと怯えるじゃない。」
何処から出てきたかわからないが、時空の亀裂から
紫色の長髪をなびかせている女性の顔が私の顔の隣に出てきた。
「あ...あのぉ急に出て来られると怖いんですが...」
怯えているというよりかは、呆れている声で女性に向け注意した。
というか、もう何でもありなのね。
「あら、ごめんなさいね!姫様が可愛いすぎて...ん~もう!なにこの肌!
憎いわねぇ!モッチモチでスベスベ!!どういうこと!!」
満面の笑みで残りの身体を出し、
無理やり頬ずりをされた、これはこれで困る。
けど、スベスベと言われて嫌な気分ではない。
むしろ毎日のスキンケアのおかげと思った。
少し自分に自信持てそう...。
「サラリア そこまで 姫 怖がってる」
さらに野太い声が、サラリアさんの後ろから聞こえた。
私はその聞こえた方をを向いた。
こっわ!...私はその顔に驚き後ずさってしまった。
顔は獅子で尾が蛇の長身の動物?がいた。
そして中央扉の方から足音が聞こえ、全員足音のする方を向いた。
「レオ、サラ、アーロック、クリスおはようございます。それと...聖女奈那様」
そこには、白い服装の修道女のようで目元までレースで覆っている女性がいた。
てか胸が...でかい!...負けてる...。
そしてその女性は私の前まで歩いてきて
急に右膝を地面につけ私に頭を下げながら口を開いた。
「奈那様 これから、世界を守ってもらいます。
世界は今魔族に襲われている状態です。
数々の国の民や、冒険者が被害に遭っています。
その為勝手ながら、聖女召還により【こちら側】に転移して頂きました。」
その言葉の後女性は私の方に顔を向けた。
って、魔族って何?え?危ないの?
私銃すら持ったことないよ!?
私はあまりの急な出来事で冷や汗を掻きながら、手と首を横に振った
「いやいやいや!急に!?無理無理無理!
私そんな力ないし!!」
するとその女性が私の方を向きながら口を開いた。
「今...はで御座います。
これから貴方様には訓練して頂き、力を得て頂きます。
その為我ら英雄王四名と親衛隊がお守りさせて頂きます。
勝手ながらご教授をさせて頂く上で、何卒ご理解をお願い致します。」
その言葉の後、周りにいた残りの人達まで同じ姿勢になった。
そして全員が呼応しているかのように口を開いた。
[[[[[我が姫君にて、世界の救世主様!
今この時を持って我が肉、我が血、我が命は貴方様に授ける事を誓います。
盟約の名の元に!世界の理の元に! ア セイント!]]]]]
自分の言う箇所が決まっていたかのように一人一人が一句言う度に立ち上がり
最後には全員が自分の胸の前に、何処から出したかわからない武器?を掲げ
私に向け忠義を表してると思う。
ただ、重たい。
非常に重たい。
私には無理だよおおお!!
そして私は大きな声を発した。
「もう...何なのこれ!!!!」
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