第4話 自由の身
次に目が覚めた場所は森の中だった。
異世界転生・転移で最も多い開始地点だ。
服装はさっきと変わっていなかったが身長が低くなっている気がする。
パジャマのズボンのポケットに違和感を感じ、手を突っ込む。
紙だ、小さく折りたたまれた紙がある。
こんなの入れた覚えがない。
何の紙だったかを開いて確認する。
先程とはサイズが違うが筆跡が同じすごく読みやすい日本語の文字が書かれている。
『やぁ、お目覚めかな?
またまたいきなりだけど許してね。
諸事情で君に渡すはずのチートがどこかに消えてしまったんだ。
だから高校生達を倒すお願いも取り消しになった。
元の世界に返すことはできないけど、この世界で自由を謳歌してほしい。
君は男の娘が好きだったか。
ならお望み通り君の容姿をとっておきの美少女にしておいたよ。
気に入ってくれたら幸いだ。
ちゃんとムスコも付いているから確認しておいてくれたまえ。
あと左手の紋章は少しいじっておいたから敵対されることは無いし、困ったときにこれを魔王に見せれば君の力になってくれるよ。
君の腰に装備してある軽鉄の短剣はほんのささやかな私の気持ちだ。
これでレベル上げでもするといい。
次に、この世界についての解説だ。
この世界には五種類の種族が存在する。
人間、エルフ、ドワーフ、獣人、魔族といったスタンダートな組み合わせだ。
覚えやすくていいだろう?
人間が主流で、エルフが里にこもっていて、ドワーフが職人的で、獣人が奴隷として売られていて、魔族がほかの種族の敵といった感じだ。
最近だと人間が魔族を滅ぼすために大規模な勇者召喚を行う。
そこに高校生達が巻き込まれるわけだ。だからそこで君を魔族軍の暗器として立ち回ってもらおうとした訳だけど、あいにくこのざまでね。
次はステータスについてだ。
こちらもスタンダートなレベルアップ制となっていてね。
君のステータスを例にしよう。
―――――――――――――――――――――――
気賀咲
HP13
MP2
攻撃力4(23)
防御力2(5)
魔法攻撃力1
魔法防御力2
速力5
スキル なし
魔法 なし
現在装備
・軽鉄の短剣 攻撃力19
・緋照の部屋着 防御力3
次のレベルまで…5
―――――――――――――――――――――
といった感じだよ。
賢い日本人ならわかるね?
では改めて、素敵な異世界生活を!』
ほら、言ったろ。
チートなんてほとんどあり得ないってね。
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