なんか妖怪?
如月芳美
第1話 ゆきおんな
「あの、相席、かまいませんか?」
顔を上げると、見たことも無いような美少女がアイスティーを片手に立っていた。
「あ、どうぞ」
「ありがとう」
周りを見渡すと、確かに席はみんな埋まっていて、相席にするほか無さそうだ。
だけど、なにも俺んとこ来なくても、イケメンいっぱいいるぞ?
「何してたの?」
いきなりその子が声をかけてきた。
「あ、本読んでた、家のエアコン壊れててさ」
「邪魔しちゃったね。ごめんなさい」
「いいんだ別に。ただの暇潰しだから」
「よかった」
笑顔がクールだ。声も低めで落ち着いてる。
同い年くらいかな? もうちょっと下? 高校生?
涼しげな瞳が印象的な東洋の美女という感じだ。
体つきもスマートで……胸も絶壁だけど、まあモデル体型?
真夏なのに真っ黒のロングスカートと長袖のブラウスを着てる。
あんまりガン見したら変態だと思われるか。
彼女は長い髪を後ろへ追いやるとひとこと「ユキ」と言った。
「え?」
「名前。あなたは?」
「あ、俺、ヨシミ」
「へえ、女の子みたいな名前ね」
「よく言われる」
それから俺たちは意気投合し、カラオケへ行って、そのままホテルへ行った。
ユキは慣れていた。
部屋に入るなり壁に押し付けられてキスされた。
逆壁ドン喰らうとは想定外だ。
「ヨシミかわいい。初めて?」
「ま、まさか」
童貞じゃないけど、そんなに数はこなしてない。
ユキに引っ張られて一緒にベッドへダイブした。
めっちゃ積極的だな。
俺のナニは準備万端だってのに、ユキがジーンズの上から撫でまわしてくるから、もう爆発寸前。
「ちょ、待てって」
「ごめん、シャワー浴びる余裕ない。脱がせて」
こんなこと言われて我慢できるかっての。
ユキの猛烈なキスの嵐を受けながら、俺は彼女のボタンを外して行く。
ブラウスを肩から滑り落とすと、恥ずかしそうに胸元を隠した。
あれ? ブラジャーしてない?
いくら絶壁だからってそれは……
「ねえ、ヨシミはどっち? 私どっちもいけるんだけど」
「ちょっ……ユキ、おんな?」
「ううん、オトコ♡」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます