カメン

me-ma

第1話

人は、誰もがカメンをかぶっている。

何1つ、一点の曇りもない頃とはいつの間にか、知らないうちに終わっている。


「小さな頃は何も疑わなかった。」

人はよくそう言うが、

人は大きくなっても、どんなに成長をしても、その“疑わなかった頃”とやらを懐かしむ。


そんな中、私は思うのだ。

“本当に疑わなかった頃は赤ん坊の頃だけだ”

と。

幼稚園や保育園に行けば、新たな発見があると共に、環境に適応するために幼いながらに周りを見る。

小学生になれば、“個性”というモノが完成し、ぶつかり合いやケンカをする。

中学になれば、ぶつかり合いが嫌がらせに、

ケンカがイジメに変わり、仮面を被る人が多くなる。

高校にもなれば、その仮面を利用し、人と人とが繋がれる。

そして、

仮面を外し、下面を晒しても何の偏見も疑いもなく見てくれる人が現れる。

傷付いた姿も、曇りのない笑顔も、悲しい涙も、隠してきたモノを受け入れ、抱きしめ、受け入れてくれる人が現れる。


仮面とは、

私を隠し、守り、偽れるものだった。


...そのはずだった。

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