美しい夫婦愛
小川貴央
第1話 純粋な愛とは
「喜びも悲しみも幾歳月」1957年の懐かしの古き良き名作映画。
日本各地に点在する灯台を転々としながら厳しい駐在生活を送る燈台守
夫婦の、戦前から戦後に至る25年間を描いた長編である。
この名画は60歳代以前の年代層に流行り大ヒットして受けたもので
あり50歳以降や若い世代は全く知らないだろう。
今や「愛」を描いたドラマや映画は必ず熱いベッドシーンなどがセット
になっている、否、と言うより「愛」=「性欲」「体の関係」の短絡的
な表現が定番になっているのは欧米型の模倣から来る由縁かもしれない。
たかが映画というが時代や社会を反映し投影しているのも事実である。
時代は完全に道徳倫理観など形骸化し思い遣り、労わりなども衰退して
慈愛は自愛へと移行してしまった感は否めない。
恋愛や愛情も精神的繋がりが伴わぬまま性的関係やセックスに先走って
しまう。
米国では1週間内でのセックスの回数如何で簡単に裁判で離婚が成立する
と聞いた事があるが愛情=体の関係の顕著な事例であろう。
そうした時代的背景の結果、中絶や離婚の増加、浮気や不倫、乳児虐待、
DVの増加、援助交際、売春など犯罪も激増してしまったのである。
恋愛や結婚は打算や欲望の代償になっていると言えば語弊があろうが
自分が犠牲になっても相手を重んじる、決して見返りなど考えもしない、
そんな恋人、夫婦が果たしてどれくらい居るのだろうか?
大半は欲望の渦巻く社会に翻弄され本来の愛を見失っているのである。
「喜びも悲しみも幾歳月」では現代社会の観客には全く受けない、
流行らない事も明らかではある。
過激な性描写もアクションも無いインパクトに乏しい古い邦画である。
だが心ある者は時代を越えて老若男女を問わず観る者は涙するだろう、
と信じたいのであるが果たして今の時代にどれくらい居る事だろうか?
熱い欲情シーンなど観ると不快に吐き気がして来るのは年寄りのせいか?
写真は有名なロケ地の一つ、佐渡ヶ島の弾埼灯台に立つ記念夫婦像だ。
ここに立つと有名な名曲が流れ出し映画の感動を甦らせ感涙する。
もはやこういう映画が作られ、流行り、皆が感動し、感涙するような
時代は永久に来ないのだろうか、きっと来ないだろう・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=xJjWPfmoF78&feature=related
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