12.自己見解

口に出してしまってはきっと悲しませるだけだろう思いを抱えている時点で この僕に生きている価値などないのは明らか

でも元元この僕に 僕という人間風情に価値などなかったのだという見解は 既に僕が自分で出していた

いつしか生きる意志のなくなった僕は人間崩れとなっていて でも誰のひとりもその事を咎めはしなかった

僕が期待してやまなかった事は 誰かに生きる価値を与えてもらう事ではなく はっきりとあの言葉を言ってもらう事だった

自死など考えた事もないこの僕にその言葉が効くかどうか 自身の死守に必死なこの僕に果たして効くかどうか・・・

それでもあの言葉を言ってもらえれば 僕も揺らぐかもしれない さすがに僕でも応えるのではないかしらん

そしたら口に出してしまってはきっと悲しませるだけだろう思いも 僕がくずおれると同時に零れ落ちてしまえばいい

詮所人間風情のこの僕の成れの果てが人間崩れなら どんな思いも抱く権利などないに等しいという見解も 既に僕が――

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