即死したストーンズ
「生きてたかドゥブルー!」
「あたぼうよ。誰がお前らを助けてやったと思ってるんだ」
「なるほど、どおりで生きてるわけだ。ここはどこだ?」
ドゥブルーと呼ばれたゴブリンは、戦闘中のように眉間にシワを寄せて地図を取り出した。
「お前らが撃たれてた場所からそう離れちゃいねえ。ここから東の集合地点までは半キロくらいだ」
「戦況は?」
「どうだかな。飛行機の奴ら、てんでばらばらに俺らを落としやがったもんだから。集合地点に皆が集まってるのかどうかさえよくわからねえ」
「わかった。じゃあとりあえず皆をまとめて歩くか。負傷者は?」
「幸運にも衛生兵が3人も集まってたからな、問題ねえ。即死したストーンズくらいだよ」
「そうか……」
ローラインは口元をぎゅっと噛み締めた。知っている人間だったのだろう。そしてそのストーンズというのは、きっと僕が拾ったヘルメットの持ち主だ。
会話を終えると、ドゥブルーは大声で叫んで全員を集め、あのドブ池を渡って一直線に集合地点に向かうと告げた。集まった10人ほどの兵士達は、文句も言わずにそれを聞くと歩きだす。
それがあまりに素早かったもので、僕はすっかり感心して、彼らについていくのも忘れて眺めてしまった。そうしていると、イオの声が耳元でこだまして僕を呼びつけ、僕は走って列に加わったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます