第2話 夢製作所

 私は男性が昔から苦手だった。だから、恋愛というものにあまり縁がなかった。それでも、周りの恋愛してる女の子達がキラキラ輝いて見えて。


「恋愛って、どんな感じなんだろう」という漠然な興味と「いつかは私も」っていう気持ちが、ずっとあった。


 いつものように何気なくパソコンでネットサーフィンをしていた時に見つけたのは「夢製作所」というホームページだった。


「貴方の夢叶えます」という謳い文句。どうやら新しいゲームみたいな物らしい。カチカチ、とクリックして中身を見ていく。


「夢製作所」では、寝ている時に乙女ゲームができるという画期的な技術開発に成功して。相手のキャラの見た目、口調、声、性格など、細かく指定できるらしい。


 ……まぁ、良い暇つぶしになるかなとその時は軽く考えていた。目は……髪は……とアバターを作るみたいに決めていく。


「出来た!……って、これは……」

 モロ初恋の相手の「夢叶 むと君」、だった。伏せた黒く澄んだ目、サラサラの黒髪、シンプルな黒縁眼鏡……。なにをやってるんだろ、私は……。消そうかな?と思っていたら、間違ってクリックしてしまい。私はスヤスヤと夢の世界へと誘われるのだった……。

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