第230話【絶望の終わり】

ファウストの死体がグレートヒェンの前に立ち。

グレートヒェンが祈る。

するとファウストの死体が光が差し天に昇っていく。


「お、 おぉ・・・」

「これは・・・・・」

「天国に行っている・・・のか?」

「・・・・・・・」


天に上りキラリと煌きファウストの死体は消え去った。


「・・・・・これでおわりなの? げじゅつとやらはたっせいされたの?」

「うん、 間違い無いよ」

「しんじられないよ、 ふぁうすとのしたいがしょうめつしただけじゃないか

たしょうきらきらしていててんのみつかいにすくわれたかのようだった

だけどもこれでなっとくしろというのはむりじゃないの?

すくなくてもぼくはなっとくしないよ、 そもそも」

「私は・・・」


メフィストフェレスがたいしの声を遮る。


「私は納得したぞ」

「え?」

「私は確かに世界と世界の狭間を見た、 確信を得たぞ!!

私はもっともっと強くなれる!!」

「ちょ、 ちょっと?」

「これで私は別の世界へと行けるようになるだろう!!」

「ど、 どういうことだ、 めふぃすとふぇれす!!」

「分からないのか!? 天国と言う別次元とこの現世が繋がったんだ!!

その瞬間を見ただろう!? その現実を見たのならば後は芋蔓式だ!!

これならば魔法に転化する事も可能!!」

「え、 べつせかいにはいけないときみはいったはずじゃないか!!」

「実際に考えるのと実物を見るのでは訳が違う!!

まさに百聞は一見にしかず!! あらゆる理論は今、 灰色になった!!」

「なにをいっているんだ」

「私は生命の黄金の樹の美しさを見た気分だよ!!」

「???」

「私は希望の光を得た!! あれほどまでに嫌悪していた希望を持てたんだ!!」

「ぼくとのやくそくはどうする!?」

「過ぎ去ったのと、 何もないのとは、 全く同じではないか」

「ほごにするきか!?」

「希望は得た!! 私が焦がれてやまない希望を持てたんだ!!

グレートヒェンの外術は成功したんだろう!!」

「あ、 ありえない・・・こんなばかなことは・・・」

「ならば観察すれば良い、 君にはどうせ時間は沢山有るんだ

さぁ私はもう行くぞ!! 素晴らしい時間はどんどん過ぎ去っていくのだから!!

あぁ今この瞬間が美しい!! 時よ止まれと叫びたい気分だ!!」


メフィストフェレスはそう言うと何処かに飛んで行ってしまった。

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