第227話【想いの終わり】

ヴァーグナーは皆にファウストの最期の言葉を伝えた。


「アイツに恋人が居たのか」


マンゲルは驚いた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・」


そして愕然として膝から崩れ落ちるグレートヒェン。


「ぐ、 グレートヒェン・・・」


ノートゥがグレートヒェンを気遣う。


「は、 ははは」

「?」

「ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!」


泣きながら笑い始めるグレートヒェン。


「何それ!! 私道化じゃない!!

振る、 振られる以前にスタート地点にも立てていないなんて!!

ははははははははは!!!!!」


地面を思い切り殴るグレートヒェン。


「畜生・・・結局私はファウストよりも自分の方が大事なのね・・・

ファウストへの想いの方が私にとって大事なのね・・・」

「ど、 どういう事?」

「私・・・今本当にショックを受けている・・・

でもファウストを思うならばこのままファウストを蘇らせない方が」

「そうは問屋が卸さない」


メフィストフェレスがグレートヒェンの頭を掴んで無理矢理立ち上がらせる。


「貴様がさっき言った誓を守ってもらわねば困る!!」

「そーだよ!!」


たいしも便乗する。


「ふぁうすとがよみがえるうんぬんも

だいじだけどげじゅつをつかえるようになるんだよ!!

それはとてもじゅうようだとぼくはおもうよ!!」

「たいしは黙ってろ!! さっさとファウストを蘇らせるんだよ!!

ヴァーグナー!! 喉仏を寄越せ!!」

「あぁ」


グレートヒェンに喉仏を投げるヴァーグナー。


「って渡すのかよ!!」


スクラッチが驚愕する。


「この流れならばファウストを蘇らせない方が良いんじゃないのか!?」

「・・・・・グレートヒェンはファウストを想っている

そしてここまで頑張って来たんだ

ならば彼女にファウストの死体を全て渡すべきだと思う」

「そんな事ってアリかよ!!」

「どうなるかはまさにぐれーとひぇんしだいってことか」

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