第203話【パレードの終わり】

王国首都シュタウフェン。

大軍を率いてフォースタスが帰って来た様子を

民達は家の中からこっそりと様子を伺っていた。

とは言ってもシュタウフェンに残った民は少し前に比べて大分減った。

勇者爆発により大勢の民が亡くなった

そしてフォンの宣言で戦場になると判断し疎開した者も多い。

残ったのは疎開も出来ない貧しい人々や事情が有る者、 危機感の無い者である。


「・・・・・」


フォースタスは軍を率いた軍事パレードを展開しながら大王城に向かっていた。

パレードの足が止まった。


「何だ?」


ヒヒィイイイイイイイイイイイイイイイイイイインンと絶叫を挙げた馬車がパレードに突っ込んで来た。

馬車は燃え上がっており馬も無茶苦茶に走っている。

兵達が押し留めフォースタスには届かなかったが混乱が巻き起こった。

兵達は何とか対処しようとしているが混乱は増すばかり。


「ふん・・・目晦ましか・・・次は如何するつもりだ?」

「フォオオオオオオオスタス王ううううううううううううう!!」


フォースタスの頭上から声がする。


「御覚悟おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


ゾルゲが高い建物から飛び降りてフォースタスの頭上に振って来た。

手には巨大なメイスを持っていた。


「話にならん、 外術【無刃」


パンッ!! と銃声が鳴り響く。

フォースタスは咄嗟に馬から降りて回避した。

銃弾が自分の後ろに着弾した。


「そこか、 外術【無刃造】」


大量の刃が発砲された場所に飛んで行く。

しかし頭上からゾルゲが迫り殴りかかられた為、 狙いがズレた。

とは言え建物を数棟破壊する凄惨な状況になっていた。

破壊された建物から大勢の民草の叫び声が響く。

民達はパニックに陥っていて建物から飛び出して来た。


「うおおおおおおおおおお!!」


メイスを振り回してフォースタスに殴りかかるゾルゲ。

しかし軽々と回避するフォースタス。


「そんな程度なら剣だけで充分」


ぐさり、 と言う触感がする。


「後ろから失礼します」


シュルトゥが背後から短剣でフォースタスの脇腹を刺し剣を奪った。


「コソ泥が」


シュルトゥに裏拳を放つフォースタス。

シュルトゥは吹き飛ばされる。


「陛下、 御覚悟おおおおおおおおおお!!」


シュルトゥと入れ違いにノートゥが両手に剣を持って迫って行った。

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