第192話【手を組む】

殺到して来た兵達を喰いとめたのはシモンだった。


「EarthWall!!」


巨大な土の壁がフォースタスと兵達を分断した、 それでも壁をよじ登ろうとする兵達。

数名、 こちらに飛んで来たのをパンを首を刎ねる。


「雑魚は任せろ!! 王は任せた!!」

「意外似役似立津名」

「一応、 近衛の長だったからな、 では王女、 我々も始めようか」

「応」


剣での応酬が始まった。

王女の剣は重く速い、 パンとは比べ物にならなかった。


「強いな」


王女の顔の穴から針が飛び出して来た。


「おっと」


針を難無くキャッチするフォースタス。

剣戟の最中でこんな事が出来るとは恐ろしい胆力である。


「そろそろ終わらせるか 外術」

「刺背濡、 Dark hole」


黒い穴が女王から放たれる。


「ふん、 全てを飲み込む漆黒の洞か

面白い、 外術【無刃造】!!」


夥しい刃が現れて女王に向かう。

全て黒い穴に吸い込まれて言っている。


「あの魔法は!?」

「あれは外術に近い魔法と言われるDark hole・・・全てを飲み込む漆黒の洞

外術と言えども所詮は刃、 全て穴の中に消えるのが道理・・・」

「道理を覆しての外術よ!! うおおおおおおおおおおおおお!!!」


刃は尚も次々と穴に飲み込まれ続けている。


「・・・・・具」


女王が力を込めて穴を大きくする。

しかし未だに無刃造の勢いは止まらない。


「くっ・・・協力しようにも吸い込まれない様にするのに精一杯だ・・・」

「陛下を守れええええええええええぇぇぇ・・・」


何人か兵が二人の横を通り過ぎるも洞の中に次々に入って行く。


「維持出来無居・・・不味居」

「このままでは!!」

「王は何時まで無刃造を使い続けるつもりだ!?」

「無論、 お前が死ぬまでよぉおおおおおおおおおおおおお!!

さっさとくたばれええええええええええええ!!」


フォースタスが叫ぶと無刃造の刃の数が十倍以上にもなった。


「嘘・・・」


洞を埋め尽くし女王に刃の土石流が流れ込む。

女王は露と消えた。


「う、 うおおおおおおおおおお!!」


パンも叫んで飛び掛かるも飛んで来る刃に刺さり絶命した。


「・・・・・EarthBall」


大きな岩が現れる。


「ふん、 大岩如きで如何にかなる局面でも有るまい」

「勘違いするな、 私は負けを認めないだけだ」


岩がシモンを吹き飛ばす。


「自害、 か」

「阿呆!!」


吹き飛ばされたシモンがフォースタスの元に吹き飛ぶ。


「Dark hole!!」

「!!」


零距離でのDark hole

シモンはこれに賭けた、 だが・・・


「外術【無刃造】」


先程よりも更に数が増した刃の奔流が洞を埋め尽くした。

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