第191話【歯が立たない】

フォースタスの兵は既に彼の手中にある。

ファウストの心臓から流れる血によって強化されている兵達は

【大統一盗賊団】の盗賊の様に高い身体能力と引き換えに自壊も進んでいる。

当然ながら彼等が反逆しない様に思考も操作されている。

命令には従順で反抗せず、 かと言ってフォースタスの危機には

名連無しに駆け付ける。


そして今、 近衛長パンと宮廷魔術師長シモンが

二人がかりでフォースタスに襲い掛かっているこの状況、 当然ながら・・・


フォースタスの兵は微動だにしなかった。


ギンギンギンギンギン!!

パンが出来得る限りの速度で剣戟を叩き込む。

しかし全て受け止められる。


「糞ッ!!」

「パンッ!! 退けッ!! RockPress!!」


巨大な岩がフォースタスに向かって来る。

フォースタスは拳を握り締めて岩を殴り壊した。


「ありえん!! ここまでの力がッ!?」


岩の破片にぶつかるシモン。


「うおおおおおおおおおおおお!!」


剣戟を続けるパン。


「(動きが王の剣の動きではない・・・ファウストの動きなのかこれは!?)

シモン!! 私毎やれ!!」

「・・・すまぬ!! RockFestival!!」


大量の岩が土砂崩れの様にフォースタスの頭上に降り注ぐ。


「・・・・・無駄な事を」


フォースタスの兵は未だに動かない、 知っているのだ。

この程度では今のフォースタスが死なない事を


ガギィン!!ギン!!ギン!!


「嘘だろ?」

「そんなっ!!」


土砂崩れの様な落石の雨を剣で次々と叩き落とす。

パンの攻撃にも対処しながら。


「外術すら使わずに・・・糞ッ!!」


パンの頭上にも岩が落ちる、 筈だった。

ズガガガガガガガガッ!!と落ちる落石から守られるパン。


「え・・・?」

「な、 何だ・・・?」

「何者だ?」


落石が終わりパンを覆って守っていた者が起き上がる。

それは王冠を被った目と口が穴の様な女性だった。


「・・・改めて問うが何者だ?」

「我刃魔王最強野配下【四天王】画一角、 王女」

「魔王の残党か? 何用だ?」

「貴様野首ヲ取利似」


口の穴から大剣を取り出す王女。


「良く分からないが協力してくれると言う事か?」

「協力? 御前達歯役似立立図、 下例」


剣を振り上げる王女、 そしてここでフォースタスの兵が押し寄せて来たのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る