第180話【筆舌に尽くし難い】

怪物に対して激しい攻撃を続ける一同。


「ジコショウカイクライサセテクレテモイインジャネェノカァ?

トイウカサセテクレ」


怪物の懇願を聞いたのは怪物の両手足と頭が無くなった時であった。


「良いだろう」

「Novaをセットしておくよ」


Novaとはゾルゲが使用出来る最高威力の攻撃魔法である。

何か有れば消し飛ばされると言う事を意味する。


「そもそも頭と手足が吹っ飛んだのにどうやって喋っているんだ」

「コウヤッテ」


胴体の包帯の間が解れて口になった。


「胴体に顔が有るのか?」

「さっき、 私が刺した時には感触が妙だった、 何と言うか空に近い感じ」

「ホウタイソノモノガオレナノヨ」

「見た事が無い魔物だな」

「しゃ、 喋り方が変だけど喋る魔物なんて・・・」

「君も大分喋り方変だよノートゥ」

「うぅう~」

「恐らく四天王とか言う魔王の残党だろう」

「何だいそれ」

「魔王最強の四人の配下の事だ」

「ナンデシッテンダ?」

「”たいし”とか言う四天王とこの間会ったからな、 えーと」

「オレハサイショウダ

タイシノヤツホンカクテキニオレタチヲウラギルツモリカ」

「どういう事だ?」

「ファウストノシタイヲモツトパワーアップスルノハ

オレタチモシッテイタ

ダガゲジュツマデツカエルヨウニナルトハキイテイナカッタンダ」

「・・・無刃造か」

「ソウダニンゲンドモノオウガゲジュツヲツカッタジテンデ

オレタチハファウストノシタイヲモツレンチュウヲスベテコロシテ

ファウストノシタイヲカイシュウスルコトニキメタ」

「ちょっと待った

お前達は外術を使う事を好ましく思っているのではないのか?」

「バカイウナ

ナンデアンナヤバイモノヲツカワセテヨロコバナクチャイケナインダ」

「たいしとやらは好ましいと言っていたぞ」

「カンゼンニウラギルツモリカ

イズレニセヨオレタチノテシタノニンゲンタチトオウサマノトコロニ

ホカノシテンノウガイッテイルスグニカイシュウハスムダロウサ」


話について行けないヴァーグナー達。


「宰相とやら・・・前々から疑問に思っていたのだが良いか?」


ヴァーグナーが口を開く。


「ナンダ?」

「魔王とは一体何なんだ? お前達は一体何処から来たんだ?」

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