第175話【心外・前編】

「今・・・のは・・・」


廃城に突入しようとしていた

シュルトゥ、ノートゥ、ヴァーグナーの三人は驚愕した。


「間違いない【無刃造】だ」

「馬鹿な!?ファウストが生きていたとでも言うのか!?」

「そんな筈は無い・・・・・だがファウストの遺体を持っているのならば

ファウストと同じ技を使えても不思議は無い」

「まさか敵のボスが!?」

「陛下が使ったかもしれない」

「馬鹿なっ!? そんな事が!?」

「そ、それは不敬だよヴァーグナー・・・外術を使ったら死刑だよ?

そんな事をへ、陛下も承知の筈・・・」

「死刑・・・ね・・・二人共、忘れたのか? ファウストが何故死んだか

ファウストが大人しく法の裁きを受けたからだ

もしもファウストが抵抗していたら

ファウストは容易く逃れられた筈だ」

「つまり・・・何か?もしも陛下が外術を使っているのなら・・・」

「間違い無く抵抗されるだろう、刃で」

「・・・・・如何する?」

「【無刃造】を使う相手だぞ?」

「に、逃げるって言うの?」

「相手が陛下であれ盗賊の首領であれ【無刃造】を使う相手に勝てる訳が無い」


くるりと反転するヴァーグナーとシュルトゥ。

そして城へと走るノートゥ。


「なっ!?アイツ・・・」

「如何する?」

「・・・」




一方グレートヒェンは只管上へ上へと昇って行った。


「ぐっ・・・わ・・・」

「ぎが・・・」


先程の轟音が鳴った後から盗賊達が次々と倒れている。


「何だ・・・」

『如何やら上の戦いが終わった様だ』

「・・・・・」


只管上に昇るグレートヒェン、そして辿り着いた。


「スクラッチとメフィスト!! それに・・・ファウスト?」


スクラッチとメフィストとフォースタスの所にやって来たグレートヒェン。


「いや・・・違うな!!」


剣を抜刀してフォースタスに迫るグレートヒェン。


「おい、待てこら!!」


グレートヒェンの前に立ちはだかるスクラッチ。


「邪魔!!」

「!?」


瞬間的に加速して蹴り飛ばされるスクラッチ。


「なっ・・・馬鹿な・・・!?」


今までのグレートヒェンの動きとは違い過ぎて対応できなかった。


「誰かは知らんが覚悟!!」

「グレートヒェンか、 懐かしいな!!」

「その声は・・・陛下!?」


一瞬躊躇った後に剣を振うグレートヒェン。

しかしフォースタスは剣を受け止めた。

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