第174話【心に刺さる】
廃城を進むスクラッチとメフィストフェレス。
「うおおおおおおおおおおおおお!!!」
フォースタスの絶叫が聞こえる。
「ふ、如何やらヤバそうだ、急ぐぞ」
「何故笑う」
「陛下の危機ならそれを救えば評価はデカイ」
「・・・・・」
脚を更に早める二人。
そしてマグスとフォースタスの元に辿り着く。
そこにはマグスに血を注がれているフォースタスの姿が有った。
「貴様!!」
「おっと」
スクラッチの神速の突きをバックステップで躱すマグス。
「陛下!!御無事ですか!!」
「無駄だ、俺の血をたっぷりと分けたんだからな・・・
力が溢れすぎて死ぬだろうよ」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」
絶叫を挙げ続けるフォースタス。
「メフィスト!!何とかしてくれ!!」
「・・・・・!!」
興奮した眼でフォースタスを観察するメフィストフェレス。
「何をしている!!」
「心配するな、直ぐに立ち上がる」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
叫び声が止まった、そして起き上がるフォースタス。
「・・・・・」
手を握ったり開けたりを繰り返すフォースタス。
「・・・・・なるほど力が漲るな」
「・・・おい、嘘だろ・・・あんなに血を分けたのに死なないのか!?」
「お前には世話になったな、礼だ、受け取るが良い」
マグスに手を翳すフォースタス。
「おお・・・これは・・・」
「おい、おいおいおい嘘だろぉ・・・」
感嘆するメフィストフェレス、泣きそうになるスクラッチ。
「何をする気か知らねぇが喰らええええええええええええええ!!!」
斧を振りかぶって突撃するマグス。
しかしフォースタスの方が早かった。
「外術【無刃造】!!」
大量の剣が現れてマグスに向かっていく。
「こんな物おおおおおおおお!!」
マグスは剣は撃ち落としていくが次々と現れる大量の剣を捌き切れずに
剣が次々と体に刺さって行く。
「うおおおおおおおおおおお!!」
剣の数が増えて来る
やがてその剣の数は正に大瀑布の様な奔流となりマグスを包み込み
マグスの体を塵一つ、細胞一つ遺さずに消し去った。
後に残ったのは脈打つ心臓だけであった。
フォースタスはその心臓を拾いあげて自身の体に入れた。
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