第157話【心の駒に手綱許すな】

クレールが淹れたお茶を飲むたいし。


「おいしいねぇ」

「一応メイドだったものでね・・・」

「じゃあおりょうりもできる?このあたまをりょうりしてほしいんだけど」


と言ってトムの頭を差し出す。


「それは無理」

「あらざんねんだわぁ・・・ところでさ

いつになったらぐれーとひぇんをころせるの?」

「・・・・・御言葉だがまだ出発して一ヶ月だ、まだ時間がかかると思う」

「肝心のグレートヒェンの居場所が分からないしね」

「それならよそくがつくよ」

「何・・・?」


たいしは立ち上がる。


「おうこくじゅうのとうぞくがあつまってできた

【だいとういつとうぞくだん】っていうのしっている?」

「・・・いや知らない」

「人里にあまり出ないからな・・・」

「その【だいとういつとうぞくだん】のぼすがゆうしゃのしたいをもっているらしい

そしてぐれーとひぇんはゆうしゃのしたいをねらっている、あとはわかるな?」

「【大統一盗賊団】とやらにグレートヒェンは現れると言う訳だな?」

「・・・しかしどうやって奪い取れと言うんだ?」


デルが気だるげに言う。


「なにとぼけてんの?げじゅつつかえばいいじゃない」

「・・・そこまで知っているとは・・・やれやれ」

「ちょっと待ってくれ、外術を色々と使える様になったが

まだまだ使用には・・・」

「しゃーらーっぷ、げじゅつがいろいろとつかえる?なんせーんす」

「な、なんだ?」

「げじゅつはひとつにしぼるといいんだよ」

「何だと?」

「げじゅつのぱわーはすごい、げじゅつをしんじるんだ、できるかぎりひとつに」

「どういう事だ?詳しく教えてくれ」


デルがたいしに詰め寄る。


「いいかい、げじゅつのちからはにんげんのこころのちから

つまりにんげんがこうしたいというよくぼうのちからなんだ

つよくねんじればねんじるほどつよくなる、それなのにいくつもげじゅつをもつと

こころがよわくなるんだ、できるかぎりひとつにしぼったほうがいい

まぁれいがいもあるかもしれないが・・・」

「なるほど!!とても参考になる!!君は一体何なんだ?」

「ぼくはしてんのうのひとり、たいしとよんでくれ」

「太子?王子か、有難うとても参考になったよ!!」

「いえいえ、どういたしまして、じゃあぼくはこれでおいとまするよ

きみたちもがんばってぐれーとひぇんをころしてね、じゃーねー」


そこまで言うとたいしは消えた。

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