臓腑の章

第132話【幸せな夢を見た】

幸せな夢を見ました。

夢の中で私はジェラール様が私の手を握って微笑んで

『共に来て欲しい』と言ってくれました。

私はウェディングドレスを着て

ジェラール様と共にバージンロードを歩いて居ました。

家族もジェラール様の御父上も婦長殿も微笑んで祝福してくれて

そこで目が覚めた。


―――――――――――――――


クレールは自身が置かれている状況に困惑していた。


「!?・・・な、何これは・・・」


自分がベッドに縛られて拘束されている。

何故こんな事になっているのか見当も付かなかった。


「そもそも、私は一体何をしていたんだっけ・・・」


記憶を辿ろうとするクレール。


「そうだ!!私はジェラール様を助ける為の取引で罪人部隊に入ったんだった!!

そして自分は船に押し込められ・・・船が揺れてそれから・・・・」


自分の状況が何となく読み込めてきたクレール。


「・・・・・何て事!!私は死んでしまったの!?」


”何でそんな考えになるの?”と書かれた黒板がクレールの前に差し出される。


「え・・・何コレは・・・」


クレールが首を動かすと黒板を持った手の根本に

人のパーツが大量に組み合わさって出来た肉塊が蠢いていた。


「何!?一体何!?」


肉塊が黒板に何かを書き再びクレールに見せる。


”落ち着いて、取って食おうとかそんな事は考えていない

まずは君の手当てをしないといけない”

と黒板には書かれていた。


「手当て・・・手当てなら何で私を縛るの!?」


”物凄い痛いから暴れない様にする為だよ、大丈夫、直ぐに済むよ”

と黒板には書かれていた。


「何・・・何をするつもりなの!?」


”手当だって言っているじゃないか”と黒板には書かれていた。


「だから手当って何!?」


暫く考えるそぶりを肉塊がすると肉塊は黒板を戻して

再度クレールに黒板を見せる

”言ってはいないね、書いてた”と黒板には書かれていた。


「だから手当って何するつもりなの!?」


”君の欠けた目玉をあげるよ”と黒板に書かれていた。


「め・・・だま・・・?」


肉塊は自分の肉塊から目玉をくりぬくと、クレールの抉られた眼孔に目玉を入れる。


「ぐぎ、ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!」


クレールは目に走った激痛から絶叫し失禁したのだった。

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