第50話【会議をするエルフ】

牢屋から出たエルフ達は予定とは大分外れてしまったが族長会議を始めた。

議題は『ハイエルフ達の処遇』『ハーフエルフ一族の族長達の捜索』

ハーフエルフ一族の族長達は捜索の末に

大森城付近で護衛と共に遺体で見つかった。

ハイエルフ一族が全てルネに賛同しているのかが不明な為

ハイエルフ達の処遇は後に回されたが王国には報告する事が伝えられた。


ハイエルフ達の反乱未遂の報せは王国を駆け巡った。

外術【王道楽土】で安定していた国家で反乱が起こる等今まで無かった事だった。

ファウストが外術を使ったから

【王道楽土】に不具合が発生した等様々な議論を呼んだが

国王フォースタス・マーロウはファウストの死体探しを命じている

王国騎士団や陸軍の代わりにエルフ達に事の鎮静化を指示

エルフ達の一族は族長を喪った闇エルフとハーフエルフが中心となり

連合を組みハイエルフの里を襲撃した、結果は連合の圧勝。

実はルネの死後

ルネの信奉者とルネに押さえつけられていた者達の間で内乱が発生し

どさくさに紛れ賢い一部のハイエルフが財の大半を持ち逃げしてしまい

疲弊していたハイエルフの里は持たなかったのだ。


元々少なかったハイエルフ達は反対派や

ルネが気に喰わなかった者をルネが粛清した事により

数を半分以下にまで減らし、内乱で更に数を減らし

ハイエルフの生き残りは50人も満たなかった。

その内ルネに賛同したハイエルフは26人、彼等は裁判にかけられ処刑された。

残されたハイエルフ達は指導者の不在や人手不足により里が機能しなくなり

他のエルフの里に移ったりしたがハイエルフとしての矜持で周囲と軋轢が産まれ

財を持っているが鬱々とした生涯を送ったらしい。

財を持ち逃げしたハイエルフ達のその後は分からないが

大金持ちのエルフの話が出て来ない以上

盗賊に殺されてしまったと見るのが一般的である。


族長を喪ったハーフエルフの里と闇エルフの里は

ハイエルフに対する存在賠償を求め受理された。

ハイエルフの持っていた財や

様々な歴史的な資料や魔術的に価値ある物を受け取った。


この反乱のルネを討ち取ったのは

マンゲルだとされているが彼女は如何なる受勲も褒賞も固辞し

山エルフ達に装備の新調を依頼した後、自らの里に帰って行った。


この頑なな態度からマンゲルがルネを討ったのでは

無いのではないかと言う議論も呼ぶのだが

それはまた別の話。

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