第I話【処刑八日後宣言】

「・・・気は確かか父上?」

「無論だヴォルフガング、だが良く考えて見ろ

死体は集めなければならない、これは分かるな?」

「えぇ・・・確かにそれは分かります、ですが王位の奪い合い等・・・」

「これも行わなければならない事だ」

「如何言う意味ですか?」

「ヨハンが居ないでは無いか」

「・・・確かにヨハンは行方不明ですがそれが一体何の関係が有るのですか?」

「冷静に考えろ、ヨハンが何故ここに居ないのかを」

「・・・・・父上はまさかヨハンがもう既に?」

「何者かに殺されているのだろう、直属の騎士達共々」

「馬鹿な!!在り得ませぬ父上!!」


フォンが割って入る


「ヨハンと直属の騎士達の実力は父上も御存じの筈!!」

「そう正攻法ならば無理だろう、だがもしも何らかの形で隙を作れば如何だろうか?

例えるならば兄弟内での呼び出しに応じたとか」

「父上!!」

「ではそれ以外の方法でヨハンと騎士達を殺す方法が有るのか?」

「・・・・・勇者の仲間に殺された、とか?」

「そ、それは出来ませんよ!!」


慌ててノートゥが否定する


「殺すメリットが無いです」


淡々と動機が無いと主張するスクラッチ


「装甲の厚い騎士達相手では私の銃は十全に働きません」

「私も厳しい」


ヴァーグナーとシュルトゥは出来ないと答える


「・・・・・」


メフィストフェレスは黙して語らず


「何れにせよ、王位を争って殺し合いが起きたと私は判断する

ならばこうしてルールを決めて王位を奪い合えば犠牲は出ないと私は考える」

「・・・・・」

「私は賛成だよ」

「兄上!!」


王位継承権を持つクリストファーが賛同する


「私には王座は重い、私は辞退しますよ」

「それも良かろう」

「私も賛成です!!陸軍等兵は動かしても構いませんね!!」


フォンが鼻息を荒くして尋ねる


「好きにするが良い」

「良し!!ならば早々に行かせて貰いますよ!!」


フォンがその場を慌てて立ち去る


「女子にも王位継承権が得られるチャンスと言うのならば私も賛同します」

「で、では私も」


ヘレンとキャスリーンも賛同する


「陛下、お聞きしたいのですが」

「何だ、ゴーチエ?」

「私が一番多く勇者ファウストの死体を集め陛下に献上したら如何成されますか?」

「つまり死体争奪戦に貴様の参加したいと?良いだろう

私の子供達とゴーチエ大公の中で

一番多く勇者ファウストの死体を集め私に献上した者に

王位を譲ろうではないか!!」

「寛大な処置有難うございます」


ゴーチエ大公は頭を下げた

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